市民とともに歩む市政の発展を

2012/5/26 小俣三郎

 岩戸南に住んでいる小俣と言います。今は退職しましたが、以前は高校で社会科を教えていました。退職後は平和憲法が危なくなりそうだとか、中学校で「大東亜戦争は正しかった」と書くような教科書が出てくるとかに危機感を感じ、狛江では平和憲法を広める狛江連絡会やこまえ九条の会に参加し、教科書問題を考えるために、狛江市の教育委員会を傍聴したり、あるいは私の出身校が中高一貫校になり、扶桑社とか育鵬社の戦争を賛美し憲法を変えようとする教科書が採択されてしまいましたので、東京都の教育委員会に訴えに行くとか、この間やってきました。

 狛江に移り住んできたのは30数年前で、その頃は狛江に保育園も少なく道路も整備が進んでいなくて田舎の町に来たな、と言う感じでしたが、保育園のことや学童のことで保護者の一人として市役所と交渉したり、お願いをしたりしました。その頃、私たち保護者の味方になってくれたのが矢野ゆたかさんでした。30歳そこそこの若い市議さんでした。しかし、一緒に市役所に行って下さることで大変心強く、狛江にはこんなに若くてしっかりした議員さんがいらっしゃると頼りにした次第です。

 その後、ご存知の恥ずかしい事件(市長が賭博で借金し、雲隠れ。その後、有罪判決で刑務所へ)があり、矢野市長が誕生しました。そして保育園や学童の問題、中学校の給食問題などが少しずつ解決されていきました。もちろん100%満点と言うことは無いでしょう。不満な点も残っていると思いますが、その一つ二つを取り上げて、だから矢野市政はダメなのだ、狛江市を変える政権交代が必要なのだというのは、市民とともに歩んだ市政の良いことを全て流してしまうことになります。あろうことか狛江市には住んでおらず、狛江市の行政や市民のことを知らない人が、落下傘候補として自民党の都連の推薦を受けて、東京都の官僚から天下った人が、ぽんと狛江市の市長になると下りてくる、このような方に狛江市民の願い、狛江市の脈々と築いてきた良い点が、理解できるでしょうか。もちろん当選したいからきれいなことを並べ、味方につけたいから、政策協定をします、○○党さん、○○党さん、私はあなたと政策協定を結びます、応援してください、と言うかもしれません。しかし、いったん政権を握ったらどうなるでしょうか。もともとは自民党です。それも東京都連の推薦を受けている方です。東京都の役人をしていた人です。私は東京都に教科書問題で何度も行っています。都議会にもお願いしていますけれど、都議会の自民党は私たちの「戦争を進めるような教科書をやめて下さい」と言う声には、一切耳を傾けてくれませんし、東京都教育委員会もきちんと審議してくれません。東京都のやり方と言うのは、都知事さんがああいう方ですから、トップダウン、上から目線で職員に押しつけてくる、これが教育委員会にも表れているんじゃないでしょうか。矢野さんは市民本位ということで私たちと一緒に政治を進めてくれました。一つの良い例が「こまえ平和フェスタ」ではないでしょうか。保育園児から小学生・中学生・高校生、働き盛りから高齢者までが集まって、平和を守ろう、平和のあり方を確認しようという平和フェスティバルを行っています。最初は平和憲法を広める狛江連絡会など市民が始めたことですが、2、3年やっている内に、狛江市に市民との協働でやりましょうとお願いし、今では協働して平和を願うお祭りを、エコルマホールを使って毎年8月にやっています。

 このように矢野市政は市民とともに歩く、市民の意見を大事にする、そうした市政でした。しかし、今度予定されている落下傘候補、都の幹部だった人が、ポッと降りて来て私たち市民と一緒にやってくれるでしょうか。1年は静かにしているかもしれませんね。でも、権力を握ったら、本性を現してくるのではないでしょうか。自民党は憲法を変えて、自衛隊を軍隊に変えて外国の戦争にどんどん出ていけるようにしようと言う政党です。その推薦を受けて市長になろうとする人ですから、一旦政権につけば2年後、3年後にはどうなるでしょうか。私たち平和を願う市民の願いをいつまでも守ってくれるとは限りません。平和フェスタを共催してくれなくなるかも知れません。

 どうか皆さん、狛江市の今までの歩みを大事にする、それを矢野市長と一緒に市政を担ってきた田辺さんを、狛江市のこれからの発展のためにも是非、推していただきたいと思います。田辺さんはまだ47歳、働き盛りです。お子さんをお持ちで子育てのこともよく分かります。働いている方たちの気持ちもよく分かります。市民とともに歩む市政を発展させるためにも、どうか田辺さんにご支援をください。