「自民大勝」、自公で衆院
の三分の二超
市民と野党の共闘で憲法破壊の安倍政権打倒は成らず


 わたし達《豊かな狛江をつくる市民の会》は、21年前の結成以来初めて国政選挙にとりくみました。賛同団体として参加している《戦争なんてイヤだ!狛江市民実行委員会》を通して、不充分なところは多々ありましたが、今回の衆議院選挙にたたかいました。

《戦争なんてイヤだ!狛江市民実行委員会》のとりくみの経過報告は後掲しましたので、ご覧ください。

また、《豊かな会》に加わる政党・各団体、会員の皆さんは、それぞれの立場で、憲法破壊の暴走政治を続ける安倍政権の打倒に向け、全力を傾注されたと思います。皆さん、ご苦労様でした。

改めて明確になった小選挙区制の弊害

結果は、民意を忠実に反映しない小選挙区制の弊害が改めて明確になるものでした。多くの世論調査では、安倍政権に対する不支持が支持よりも多数となっていましたが、国民・有権者の思いと選挙結果は大きくねじれています。

自民党の比例区得票は33%(有権者比17・3%)なのに、全議席の61%の議席を得たのは、大政党有利に民意をゆがめる小選挙区制がもたらした「虚構の多数」にすぎません。

 しかし、この小選挙区制を廃止させるには法改正が必要であり、つまり小選挙区制のもとで勝ち抜き、国会で多数を占めなくてはなりません。野党候補が競合していては、小選挙区制廃止も不可能であることが改めて明らかになりました。

市民と野党の共闘が一定の成果を挙げたと言えるのでは

以下、1023付け日本共産党中央委員会常任幹部会名の声明「総選挙の結果について」からの抜粋です。

今回の総選挙で日本共産党は、市民と野党の共闘を成功させることを、大方針にすえて奮闘してきました。日本共産党、立憲民主党、社民党の3野党が、市民連合と項目の政策合意を結び、協力・連携して選挙をたたかいました。立憲民主党が躍進し、市民と野党の共闘勢力が全体として大きく議席を増やしたことは、私たちにとっても大きな喜びです。

私たちは、総選挙直前に、民進党が希望の党へ合流するという重大な逆流が生まれたもとでも、市民と野党の共闘を揺るがず断固として追求しました。共闘勢力の一本化のために、全国67の小選挙区で予定候補者を降ろす決断を行い、多くのところで自主的支援を行いました。この決断が、共闘勢力が全体として議席を伸ばすうえで、その貢献となったことは、選挙結果がはっきりと示しています。今回の対応は、安倍政権の暴走政治を止め、日本の政治に民主主義を取り戻すという大局にたった対応であり、大義にたった行動であったと確信するものです。

この選挙では、3野党と市民が連携・協力して選挙戦をたたかうなかで、全国のいたるところで「共闘の絆」「連帯の絆」がつくられ、私たちはたくさんの新しい友人を得ることができました。これは今度の総選挙で私たちが得た最大の財産であると考えます。日本共産党は、この財産を糧として、市民と野党の共闘の本格的発展のために引き続き力をつくすものです。

 

 希望の党の結成や選挙直前の民進党の事実上の解党、希望の党・立憲民主党・無所属グループへの分裂という事態の中で、日本共産党の「英断」がなければ、

立憲民主党が公示前の15から55議席へ大きく躍進し、3野党全体としては公示前の38から69議席へと大きく増やすという成果はなかった言えます。

しかし、日本共産党(公示前21議席)は、比例代表で11議席となり、小選挙区では「オール沖縄」の枠組みでたたかった赤嶺政賢氏が沖縄1区で勝利して7選を決め、合わせて12議席と減少しました。比例代表で、前回獲得した20議席(得票606万票、得票率11・37%)から11議席(同440万票、同7・91%)へ後退する「犠牲」を払いました。

 社会民主党の1023日付け声明(抜粋)では、

こうした安倍政権による争点ずらし・争点隠しに加え、希望の党の結成や選挙直前の民進党の事実上の解党と希望の党・立憲民主党・無所属グループへの分裂によって、野党と市民の共闘が十分機能せず、野党候補が競合して安倍自公政権VS立憲野党連合という構図を作りきることができませんでした。そのため、安倍政権に審判を下し改憲勢力を3分の2割れに追い込むという、今回の総選挙の本来の意味が見失われてしまい、自公が漁夫の利を得るケースが続出しました。

 社民党は、(中略)アベ政治の暴走を止め、安倍政権による改憲を阻止するため、院内外でのリベラル勢力や市民連合をはじめとする皆さんとの連携・共闘をさらに進めていくことをお約束申し上げ、総選挙のお礼と決意とさせていただきます。

 全国における“市民と野党の共闘”の実績は今後、情報が入ってくると思いますので、《戦争なんてイヤだ!狛江市民実行委員会》を軸にして、「市民と野党の共闘で政治を変える」方向性を探る論議を深めたいと願います。

選挙結果などみなさんのご意見を
本紙までドシドシお寄せください。

東京22区の選挙結果

東京22区全体(調布・狛江・三鷹・稲城)
△有権者数  465,616人
△投票者数  259,482人
△投票率   55.73%
△有効投票数 254,661票(小選挙区)

今回 2017年10月22日執行

前回 2014年12月14日執行

候補者

党派名

得票数

得票率

候補者

党派名

得票数

得票率

山花郁夫

立民党

91,073

35.8

山花郁夫

民主党

80,014

31.5

阿部

共産党

22,859

9.0

坂内淳

共産党

36,980

14.6

伊藤達也

自民党

110,493

43.4

伊藤達也

自民党

116,757

46.0

金ヶ崎絵美

希望党

30,236

11.9

かのあきら

次世代

20,288

8.0

※今回は稲城市の約35%が21区に編入

調布市分

△有権者数  193,373人
△投票者数  107,134人
△投票率     55.40%     前回55.27%
△有効投票数 105,236票(小選挙区)

今回 2017年10月22日執行

前回 2014年12月14日執行

候補者

党派名

得票数

得票率

候補者

党派名

得票数

得票率

山花郁夫

立民党

37,186

35.3

山花郁夫

民主党

31,483

31.9

阿部

共産党

9,241

8.8

坂内淳

共産党

13,546

13.7

伊藤達也

自民党

46,705

43.4

伊藤達也

自民党

46,243

46.8

金ヶ崎絵美

希望党

12,104

11.5

かのあきら

次世代

7、535

7.6

狛江市分

△有権者数  69,233 
△投票者数  39,085 人 
△投票率     56.45%     前回56.79%
△有効投票数 38,319 票(小選挙区)

 

今回 2017年10月22日執行

前回 2014年12月14日執行

候補者

党派名

得票数

得票率

候補者

党派名

得票数

得票率

山花郁夫

立民党

12,785

33.4

山花郁夫

民主党

10,439

28.8

阿部

共産党

4,323

11.3

坂内淳

共産党

6,326

17.4

伊藤達也

自民党

16,615

43.4

伊藤達也

自民党

16,599

45.8

金ヶ崎絵美

希望党

4,596

 

12.0

かのあきら

次世代

2,903

8.0

比例区 狛江市開票結果

三鷹市分

△有権者数  155,390人
△投票者数  87,188人 
△投票率    56.11%      前回 56.65%
△有効投票数 85,561票

今回 2017年10月22日執行

前回 2014年12月14日執行

候補者

党派名

得票数

得票率

候補者

党派名

得票数

得票率

山花郁夫

立民党

33,009

38.6

山花郁夫

民主党

26,871

32.8

阿部

共産党

7、163

8.4

坂内淳

共産党

12,073

14.8

伊藤達也

自民党

35,117

41.0

伊藤達也

自民党

35,836

43.8

金ヶ崎絵美

希望党

10,272

12.0

かのあきら

次世代

7,041

8.6

稲城市分(東京22区分)

△有権者数  47、620人  
△投票者数  26、075人 
△投票率    54.76%     前回 55.68%
△有効投票数 25,545票

 

 2017年10月22日執行

前回 2014年12月14日執行

候補者

党派名

得票数

得票率

候補者

党派名

得票数

得票率

山花郁夫

立民党

8,093

31.7

山花郁夫

民主党

11,219

30.2

阿部

共産党

2,132

8.3

坂内淳

共産党

5,035

13.6

伊藤達也

自民党

12,056

47.2

伊藤達也

自民党

18,079

48.7

金ヶ崎絵美

希望党

3,264

12.8

かのあきら

次世代

2,809

7.6

※今回は稲城市の約35%が21区に編入


市民と野党の統一候補実現に向けた
「東京22区市民連合」のとりくみ

《戦争なんてイヤだ!狛江市民実行委員会》衆議院議員選挙東京22区(三鷹・調布・稲城・狛江)で、市民と野党の共闘で政治を変えよう、市民と立憲野党の統一候補を実現させようと、昨秋より4市の市民団体による相談会に参加してきました。

三鷹市は《戦争法をなくしたい!オール市民の会》、調布市は《戦争はいやだ調布市民の会》、稲城市は《政治を変えよういなぎ市民の会》、そして狛江市は《戦争なんてイヤだ!狛江市民実行委員会》です。

 

市民連合“ちょこみな”@東京22結成、統一候補実現に向け活動

 

来る衆議院選挙に向け、ここ東京22区において「市民と野党の統一候補」をぜひ実現し、憲法違反の戦争法に賛成した議員を必ず落選させ、全国の市民運動と連帯して、暴走政治を続ける安倍政権を打ち倒してゆこうと、「22区市民連合」構築のとりくみを4市の市民団体が呼びかけ団体となって進めてきました。

《市民連合“ちょこみな”@東京22区》準備会(正式結成は10・8調布駅前リレーアクションの場)として、民進党・立憲民主党・日本共産党・自由党・社会民主党の立憲野党の各「都本部」などに、@立憲主義の回復と安保法制の廃止、A安倍政権下での憲法改正の阻止、B個人の尊厳と基本的人権の保障などの基本政策のもとに「野党候補の一本化をしてください」との要請をおこなってきました。

しかし、告示日前日の10月9日夜、《市民連合“ちょこみな”@東京22区》会議で、野党候補の一本化を求める取り組みを断念せざるを得ないという結論に達しました。そして、下記の声明文を作成し、4市の呼びかけ団体の仲間を初めとした市民の皆さんにお伝えし、憲法破壊の暴走政治を続ける安倍政権打倒に向け、選挙戦をたたかう方向を訴えることを確認しました。

 

 

声明 東京小選挙区22区の野党候補の一本化について

2017年10月9日

市民連合ちょこみな@東京22区

ちょうふ:戦争はいやだ調布市民の会

こまえ:戦争なんてイヤだ!狛江市民実行委員会

みたか:戦争法をなくしたい!オール市民の会

いなぎ:政治を変えよう!いなぎ市民の会

この間、私たちは「憲法違反の安保法制・戦争法を廃止する」「政治に立憲主義をとり戻す」「憲法違反の政治を繰り返す安倍政権の政治を終了させる」を目的に東京22区の各市で活動をしてきました。そして、その目的達成のために衆議院選挙小選挙区で野党候補を一本化するために努力をしてきました。

10月になり「森友・加計疑惑かくし」「党利党略」の国会冒頭解散・総選挙の実施という、異常な事態が進む中で準備に不十分な点を残しながら、野党候補の一本化を求める取り組みを行ってきました。民進党(当時)・立憲民主党・日本共産党などの政党・候補者に対して複数回にわたり申し入れを行い、懇談も重ねてきました。それぞれの政党は私たちの申し入れを真摯に聞いていただき、内部においても様々な検討がされたものと考えますが、結果として公示日前日の10月9日になっても候補者2人が並び立つ状況となっています。

選挙が公示をされると具体的に選挙活動が開始され、期日前投票により実際にどちらかの候補者への投票も行われます。すでに投票がされた有権者の意思を尊重するならば、公示日以降の立候補辞退は基本的には行うべきものではありません。その点もふまえると、今回の衆議院選挙においてこれ以上、東京22区で野党候補の一本化を求めることは困難であり、「市民連合ちょこみな@東京22区」として野党候補の一本化を求める取り組みを断念せざるを得ないという結論に達しました。

今回の衆議院選挙では289の小選挙区のうち、240を超える選挙区で野党候補の一本化がされ、東京では25選挙区のうち16選挙区で一本化されています。これは、市民と野党の共闘を求める多くの声に立憲民主党・日本共産党・社民党・自由党などの立憲4野党が応えてくれたものであり、市民と野党が努力を積み重ねた結果です。しかし同時に、私たち東京22区のように野党候補が競合したままの選挙区が残っているのも事実です。これは、どちらかの政党や候補者に非があったというものではなく、総合的な調整を行うのに圧倒的に時間が足りなかったということであり、現在の小選挙区中心の衆議院の選挙制度において一定の候補者の立候補がどうしても必要だという現状の中での苦渋の選択の結果であると考えます。

今回の衆議院選挙において立憲民主党と日本共産党の間で一本化ができなかったことは大変残念でありますが、両党で立候補するということであるならば私たちは双方がお互いに奮闘をして、東京22区の有権者・市民に対して「憲法を守る」「安倍政権の政治を倒す」という風をおおいに吹かしてもらうことを望みます。今回の候補者一本化を求める取り組みに対しては、私たちは「〇〇党が身を引かないのが悪い」「〇〇党が市民連合の申し入れを拒否したから統一できなかった」という立場は絶対に取りません。立憲民主党と日本共産党の双方が私たちの申し入れを誠実に受け止めていただき、真剣に検討した結果であると考えます。

この間の野党候補の一本化を求める取り組みは結果として実を結びませんでしたが、決して無駄なものであったとは思いません。10月8日の調布駅前リレーアクションには400人を超える市民が集まって「野党は共闘」と声をあげました。これだけ多くの人が「今の政治を変えてほしい」「そのために、市民と野党が力を合わせよう」と声をあげた取り組みは、必ず次につながるものとなります。今回の衆議院選挙が終わっても、運動や闘いは終わりません。選挙終了後には新たな困難が待ち受けているかもしれません。私たちはそういった困難を乗り越えて、市民の手に政治を取り戻すために、これからも「市民と野党の共闘」を訴えていきます。また、11月18日には新たなスタートを切るための「調布・狛江・三鷹・稲城ちょこみな市民集会(11月18日・13時から・調布市たづくり大会議場)」も計画しています。ぜひ、この集会への多くの皆さんのご参加も呼びかけます。

なお、今回の選挙にあたっては「市民連合ちょこみな@東京22区」として具体的な選挙活動を提起することは行いません。各市の運動団体で個別に特定の候補者や政党を支持・推薦・応援することについてはそれを尊重いたします。ただし、選挙期間中であっても市民運動としての署名行動などは制限されるものではありません。調布・狛江・三鷹・稲城の各地域の中で「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名(3000万署名)」などを中心に積極的に街頭に出て、市民と対話を広げて「政治を変えていこう」と声をかけていきましょう。

以上