マスメディアは総選挙の開票を受けて、いっせいに「自公圧勝」などと報じています。確かに議席の上では、自民294、公明31で両党合わせて衆院の3分の2以上を獲得しました。しかし、民意の実際を見ると

 民意をもっともよく反映する比例代表でみると、国民から「自公政権ノー」の厳しい審判を受けた2009年衆院選よりもさらに自民は219万票減、公明も94万票減らしました。

 つまり、「民主もダメだから自民へ」とは有権者は動かなかったのです。そのことは有権者が模索し悩んだ結果、1000万人以上が棄権したことにも表れています。投票率が前回比約10ポイントも減となったため得票率が上がり、比例で見れば議席で微増にすぎません。(グラフ参照)

 それは自民党自身が選挙戦で「自民党に風なんか吹いていない」(石破茂幹事長)と自認していた通りです。
総選挙および都知事選の結果について (2012)

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資料 『しんぶん赤旗』電子版より

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安倍晋三総裁も開票結果を受けて「自民党に対してまだ完全に信頼が戻ったということではない。3年間の民主党の政治の混乱に対してノーという結果だ」といわざるをえませんでした。国民に信任されたとは、とてもいえない結果です。

得票減なのに大量議席小選挙区の欠陥あらわ

 自民が大きな議席を得たのは、比較第1党が議席を独占できる小選挙区制の影響です。

 自民は小選挙区でも前回比166万票減らし得票率は43%なのに、議席占有率は79%にもなりました。民意を大政党本位にゆがめる小選挙区制の欠陥を示しています。自公両党の「圧勝」は、民主党の公約破りによる敵失と、選挙制度に助けられてのことです。

 しかも、選挙戦で自民党は争点を覆い隠す姿勢に終始しました。

 民主、公明両党と消費税大増税の合意を結んで法案を強行しながら、増税実施の賛否を問われると「マルとかバツとか単純にいえない」(安倍氏)とごまかし、国民に信を問うことを回避しました。原発についても、再稼働も新設も認める立場にもかかわらず、「脱原発依存」とうそぶきました。

 選挙直後のアンケート調査では、「自民党に優先して取り組んでほしいこと」のトップは景気・経済対策で64%、続いて社会保障11%、原発10%でした。改憲問題などまったく上がっていません。(フジテレビ番組「とくダネ!」)

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