「民主党も体たらく」「野党もだらしない」と言うのはやめよう!

自公政権に代わる別の選択肢があるという世論をつくろう!


木戸修吉 岩戸南在住

最近気になっている言葉があります。「野党もだらしない」という言葉です。

最近は、安倍政権を批判しつつ返す刀で「野党もだらしない」と最後に付け加える言い回しが増えています。

テレビのコメンテーターなども、深く説明もせずにさらっと「民主党もあの体たらくだし」「野党もだらしない」などと言い流しています。

安倍首相の「悪夢のような民主党政権」と同じようにフレーズだけが独り歩きしています。

安倍政権を批判する側(“リベラル”側、市民運動をしている人たち)でもそう言う人たちがいるのでビックリします。

まるで昔の「私はアカではない」という弁解句のように、自身の“中立性”を主張しているように聞こえます。

 

政権を批判する際は「悪い点」だけを批判するのは当然ですが、民主党や野党を批判する場合は、民主党政権の功績を確認したうえで行き届かなかった点を具体的に指摘したり、政府の不誠実な答弁――“ご飯論法”、同じ答弁の繰り返し、議事録の改竄・隠蔽など――を批判したうえで、どのように質問し追及すればよかったのかを具体的に提起したりするべきでしょう。そうでなければ政権側の不誠実な答弁を放置することになります。

「桜を見る会」の問題点を掘り起こしたのも、前日の夕食会をめぐる安倍首相の国会答弁とホテル側の説明の食い違いをはっきりさせたのも、「国家公務員法の定年延長制は検事長には適用されない」ことを過去の議事録から探し出したのも、いずれも野党の追及によってです。民主党政権時代には「事業仕分け」や「子ども手当」など良いことも沢山やっていました。

 

そのようなことには一切触れず、これらを全く無かったかのようにしてしまうのが、「野党もだらしない」「民主党もあの体たらく」という決めつけではないでしょうか。類句としては「野党は批判ばかりしている」「野党は反対ばかりしている」というのもあります。

このように決めつけることは、「自民党政権は他の政権よりよさそうだから」という考え方・風潮を肯定し、固定化することになっていないでしょうか。

 私たちは今、そういう世論に対して“まだまし”という選択肢、オルタナティブ”がある、という思考を広めるべきではないでしょうか。

 

民主主義を破壊して暴走する安倍政権を倒すためには、現状に不満・不安を抱きつつも諦めている人々に向かって「今よりはまだまし」な選択肢があるということを提示する必要があります。

今こそ、共産党を含む野党協力による「連立政権」という選択肢を提示すべきではないでしょうか。

そのような時に、野党への失望を広めるような言説はいかがなものでしょうか。

「民主党もあの体たらく」と言うのは百害あって一利なしではないでしょうか。。

専修大学の岡田憲治さん(政治学)も「“野党もだらしない”と言っても誰も幸せにならない」と言っています。(TBSラジオ「久米宏ラジオなんですけど」2020215日)

 

 野党側も宣伝不足を直す必要があると思います。公明党がポスターに「教育費の無償化」「防災・減災」などと、あたかも自分たちの成果であるかのように大々的に宣伝しているように、野党もどんどん成果や将来ビジョンなどを宣伝する必要があると思います。(政治の分野では“上品”に振舞っていては不利ですから。)

 
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