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7月24日、日本共産党市議団が高橋都彦市長に6項目の申し入れを行いました。
 申し入れ項目(詳細はこちら)と、それに対する市長の答えの概要は、次の通りです。


 @子どもの医療費無料化など福祉施策を後退させず維持充実をはかること。
 市長…乳幼児医療費助成については、公開討論会での私の発言の受け止めに誤解がある。乳幼児医療費助成制度は維持する。民生費の整理については、いま猛勉強中で無駄なものがあれば削る。
 A絵手紙発祥の地―狛江、音楽の街―狛江のとりくみを充実発展させること。
 市長…絵手紙発祥の地という言葉にひっかかる。ゼロベースから見直すが、なくすということではない。
 B国保税の大幅値上げにつながる一般会計からの繰入金削減をやめること。
 市長…保険税の値上げの前に徴税努力など行って、できるだけ一般会計からの繰入金削減に努力したい。
 C保育サービスの後退を招く、公立保育園の安易な民間委託をやめること。
 市長…(公立か民間か)どちらがいいのか、お母さん方の考え方を聞きながらすすめる。何がなんでも強行するということではない。
 D市民のための施策の後退を招く臨時財政対策債の30%カットを行わないこと。
 市長…徴税努力など行いながら臨財債を減らしていきたい。
 E認証保育所や幼稚園の保護者負担軽減、脱原発首長会議への参加など、市民のための施策を一日も早く実現すること。
 市長…私も脱原発がいいとは思うが、首長会議への参加は考えていない。そういう公約をしましたか?(放射能を測る会の公開質問状に、そう答えています)。
 都水道局資材置き場の都立防災公園化は市の方針をつくって働きかけていく。水道道路は都市計画道路としての事業化を都に要望していく。当面の措置として信号機の増設など調布署に要望していく。

いろいろ言いたいことはありますが、今回は1点だけ。
高橋市長は市長選挙での「狛江の放射能を測る会」のアンケートに「脱原発をめざす首長会議」に「参加します」と回答していましたが、今回は「首長会議への参加は考えていない」と述べています。早くも公約撤回。こういう住民を愚弄するやり方は絶対に許せません。

                     
 

私たち日本共産党市議団は、これまで市民とともに進めてきた、@清潔公正で市民に開かれた市政、参加と協働、市民が主人公の市政、A命と暮らしを守る市民生活優先の市政、B市民要望の実現と財政確立を両立させて進める民主的な行財政運営、この市政の方向を堅持し、市民の願いが一歩でも二歩でも前進実現できるよう全力を尽くす決意です。
 この立場から、新しく市長に就任された高橋都彦市長に対し、今後の市政運営について、以下のように申し入れます。

                   


1.子どもの医療費無料化制度など福祉施策を後退させず維持充実をはかること。

市長は6月6日の狛江青年会議所主催の公開討論会の場で、民生費について、矢野市政がばらまき的なものを増やした結果、増えたとして、「これは後々、狛江市の身の丈にあった形に改めていかざるを得ないものが出てくる」と述べ、民生費の整理に「めげずにがんばってみたい」と述べました。そして自治体間のサービス競争的なものの具体例として乳幼児の医療費無料化制度をあげて、「狛江になじまない」「身の丈にあったサービスに市民合意を得ながら修正していく部分というのはかなり多い」と述べました。
 しかし子どもの医療費助成制度をはじめとした福祉施策は、市民から寄せられた切実な要望に基づき充実させてきたもので、ばらまきと言われるものではありません。
 市長は、子どもの医療費無料化制度など福祉施策を後退させることなく、維持充実をはかるよう求めます。

2.「絵手紙発祥の地―狛江」「音楽の街―狛江」のとりくみを充実発展させること。

市長は初登庁後の記者会見で、「絵手紙発祥の地―狛江」「音楽の街―狛江」のとりくみについて、「白紙に戻す」などと述べたと報道されました。
しかしこれらのとりくみは、この間市と市民が協働で築き上げてきたものであり、狛江市の魅力を発信する大切なとりくみです。これらは白紙に戻すのではなく、むしろ充実させるために、市民の知恵と力を結集して、とりくみを推進するよう求めます。

3.国民健康保険税の大幅値上げにつながる一般会計からの繰入金削減をやめること。

市長は法定1号ビラの中で、「特別会計の健全化計画を作成し、一般会計への影響を軽減します」と掲げています。
国民健康保険特別会計の健全化は必要な課題ですが、一般会計からの繰り入れ金を減らせば、国保税の大幅値上げにつながってしまいます。高齢化と景気の悪化、非正規雇用の増大等で国保加入者の多くが低所得状況に置かれており、値上げは極力抑制すべきです。
また国民健康保険法第4条では「国は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるようにつとめなければならない」と定めていますが、国は1984年、国保に対する補助率引き下げ(医療費の45%⇒38.5%)を行い、それ以来、全国の自治体の国保会計の運営が困難になってきています。国保会計の健全化は、国保会計に対する国の補助率の引き上げを国に求めるなど、全国的な取り組みも視野に入れながら取り組むよう求めます。

4.保育サービスの後退を招く、公立保育園の安易な民間委託をやめること。

市長は公開討論会の場で、市立6園は、長い目で見れば民営化していく方向にあると述べました。しかし市立保育園6園の保育は、ベテラン保育士さんと若い保育士さんとの連携で公立ならではの質の高い保育を実施し、多くの保護者に支持され喜ばれています。また市立6園が中心となって、他の民間保育園と連携協力して、狛江市全体の保育の質の向上にとりくんでいます。さらには地域の子育ての拠点としての役割も発揮しています。
安易な民間委託化で、これまで積み上げてきた、狛江市の質の高い保育の後退をまねくことのないよう求めるものです。

5.市民のための施策の後退をまねく臨時財政対策債の30%カットを行わないこと。

市長は公開討論会の場で、臨時財政対策債を30%カットすると述べました。
 しかし臨時財政対策債は、地方交付税の振替制度であり、形の上では市の借金として計上されますが、すべて後年度、地方交付税として地方自治体に戻される財源です。そのことは政府も認めています。地方交付税は地方自治体が標準的なサービスを行う上で、なくてはならない制度であり、その振替措置である臨時財政対策債を30%もカットするとなると、その分、市民のための施策を縮小せざるを得なくなってしまいます。
市長が、臨時財政対策債の30%カットは行わないよう求めます。
また市長が国に対し、本来全額地方交付税で保障すべき財源不足額の一部を臨時財政対策債で振替えるという不正常な状態を国が是正し、健全化をはかるよう全国の自治体と連携して要望することを求めます。

6.認証保育所や幼稚園の保護者負担軽減、脱原発首長会議への参加など、市民のための施策を一日も早く実現すること。

認証保育所や私立幼稚園の保護者負担軽減、放射能対策の強化、脱原発首長会議への参加、北部地域への児童館の建設、市内産業の活性化、多摩川花火大会の開催など、高橋市長がかかげた、市民のための施策を一日も早く実現するよう求めます。

                                                           以上


狛江市長 高橋都彦 様
今後の市政運営に関する申し入れ
2012年7月24日  日本共産党狛江市議団