市民派市政の復活・再建に向け

来年6月市長選挙で市政刷新!

 今年も残すところ1か月となりました。未来の人々から「2015年は日本が新たな戦前時代に突入した年」と語られることのないよう、憲法違反の戦争法廃止、憲法破壊の安倍政権打倒に向け、狛江からのたたかいをさらに広げ、強めていかなくては、とあらためて決意する年末です。

 そして問題は、来年6月に迫った市長選挙。この間の世話人会等で検討してきた内容などを元に報告いたします。

豊かな狛江をつくる市民の会事務局長・絹山達也

4年前の市長選敗北を受け、《豊かな会》総会は「次回市長選に向けた活動の基本方針」を確認

 2012年6月の市長選、結果は次頁掲載の表(字が小さくてすみません。なお、敬称略です。)のとおりでした。その前の4回分との比較ができますので、あらためてじっくり眺めてください。2000年の投票率が異常に(?)に高いのは、言うまでもなく国政選挙(衆議院)との同日選挙となったためです。

 さて、同年1013()午後、《豊かな会》は第24回定期総会を開催し、「次回市長選に向けた活動の基本方針()市民派市政復活を勝ちとろう!」が提案され、質疑・討論を経て原案が可決・決定されました。

以下、再確認の意味で、この「次回市長選に向けた活動の基本方針」の骨格部分を掲載します。

 わたし達《豊かな会》は、開票結果を受けて発表した「狛江市長選挙、市議補欠選挙の結果についての声明」の中で、

田辺良彦候補に寄せられた13,555票という得票は、前回市長選挙での矢野ゆたか市長の得票を上回るものであり、市民派市政継続への熱い市民の期待の現れであると思います。私たち「豊かな狛江をつくる市民の会」は、この思いをしっかりと受け止め、田辺良彦候補が公約としてかかげた「新・6つのビジョン」の実現にむけ、市民とともに引き続き全力でがんばります。

──と、市民の皆さんに意思表明しました。

 この約束を守り、市民派市政の復活を実現するためには、《豊かな会》の活動実態の再構築、飛躍的強化が問われています。

矢野市民派市政のもとでの16年間、1期目の「予算通せ運動」など、部分的

には《豊かな会》が主体となった市民運動展開はありましたが、厳しく総体的に見ると、選挙が終われば《豊かな会》運動は「お休み」状態となり「矢野市長まかせ」だったと言わざるをえないと考えます。これから、わたし達《豊かな会》は「市民派市政奪還をめざす勢力」であり、今までの16年間から飛躍した運動の強化が不可欠となっています。

そのためには何よりも、《豊かな会》に結集いただいている個人・団体の皆さんが、自らが担っている要求運動やとりくみを精一杯、活き活きと展開していただき、市民への影響力、市民からの信頼をいっそう広げていただくことが第一だと考えます。そうした基盤に支えられて《豊かな会》は、広範な市民運動・市民活動との連携を追求し、市民福祉切捨て市政との対抗・反撃、市民派市政の復活に的を絞った市民運動を全力で進めていかなくてはなりません。

 

市民本位市政の後退を許さず、市民派市政の復活に向けた市民運動の展開

 

4期16年の矢野市民派市政が、市民の皆さんに支えられ、市民の皆さんとともに進めてきた、@清潔公正で市民に開かれた市政、参加と協働、市民が主人公の市政、A命と暮らしを守る市民生活優先の市政、B市民要望の実現と財政確立を両立させて進める民主的な行財政運営、つまりは市民本位の狛江市政の方向性を堅持すること。市民本位の市政を後退させる動きには、広範な市民の皆さんと一緒になってひとつひとつ反撃し、潰していくこと。そして、市長選の公約である「新・6つのビジョン」、つまり市民の願いを実現できるように全力を尽くすこと。このことがわたし達《豊かな会》の使命と言えます。その使命をどこまで前進させることができるか、そこで市民派狛江市政を復活できるどうかの帰趨が決します。

読み返してみますと、この3年間の《豊かな会》は、どこまで「広範な市民運動・市民活動との連携を追求し、市民福祉切捨て市政との対抗・反撃、市民派市政の復活に的を絞った市民運動を全力で進めて」これたか?不安になる部分も正直ありますが、

◇エコルマホールの舞台照明用給電ケーブルの早期修繕を求める署名運動への協力

◇こまえ社会保障推進協議会(こまえ社保協)の設立、新たな運動の切り開きへの参加

市民センターの増床を視野に入れた改築の検討を求める市議会陳情とその後の市民運動への会員の参加

集団的自衛権行使容認戦争法案に抗する闘いへの参加

◇市民向け広報紙『市民ひと輝く狛江』の創刊、第7号まで発行、全戸配布

2015年4月市議選のとりくみ、産党市議団との連携を強化良心的市議との連携追求

◇2回にわたる都知事選、市民派候補・宇都宮けんじさんの応援

──など、主なものを挙げても、結構頑張ってきたなと思っています。

 

しかし、「市政刷新に向けた、最大限幅広い市民運動を建設」には至らず、総会を来春に延期

《豊かな会》は昨年1122日、第26回定期総会を開催しました。決定した「2015年度活動方針」では、「次回市長選に向けた、市民派候補獲得のとりくみ」として、以下のように確認しました。

 来年秋の次回総会に向け、市民派市長候補公募運動の展開を含めて、世話人会を軸に全力でとりくみます。

 4月市議選後速やかに、支持政党の相違や保守・革新などの区分けを超え、市民に冷たい高橋市政の転換を願う市民が最大限幅広く参加できる形で、市民派市長候補公募運動を形成します。

 しかしながら、本紙10月号に次のように書かざるをえませんでした。

何でも「アベ暴走政治」のせいにするつもりはありませんが、少なくない労力を戦争法案反対運動に集中せざるをえなかったこともあり、「活動方針」で掲げた、市政刷新に向けた、最大限幅広い市民運動を建設するには至っておりません。世話人会として責任を痛感しております。

 世話人会として、市民に冷たい市政の刷新・改革に向け、6月市長選に市民派候補擁立してたたかうという《豊かな会》の大方針を貫く決意を会員・支持者の皆さんに明らかにしたうえで、定期総会開催を4月上旬まで延期することをお伝えさせていただきます。

6月市長選挙での市政刷新に向けた、新たな市民運動の結成を呼びかける文案

 この文案は、事務局長である絹山が、世話人会との情報交換をおこないつつ、《豊かな会》以外の人士も含めた方たちとの協議を経てまとめたものです(一部割愛)。今後、呼びかけ人の皆さんによる検討の対象となる文章で、当然修正を受けることになると思います。

つまり、決定した文章ではありませんが、《豊かな会》会員を初め本紙読者の皆さんにぜひ見ていただき、特に高橋市政の評価に関する部分をさらに深化したいと思いますので、ご意見・ご提起を《豊かな会》をドシドシお寄せください。

12月9日(木)までにお願いいたします。

《豊かな会》専用FAX:03−3488−3981

事務局長(絹山)連絡先メール:kinutatsu1946@jcom.home.ne.jp


2012年12月
市民の皆様

6月市長選挙に向け、新たな市民運動結成会合にご参加ください。
呼びかけ人10数人の氏名など 

 私たちは、来年6月の市長選挙に向けて、“市民本位の狛江市政”の実現のため、市政の刷新・改革を!という一点で一致する個人が最大限幅広く参加いただける、新たな市民運動をつくりだしたいと願っております。

僭越ながら以下のとおり結成会合へのご参加を呼びかけさせていただきます。

私たちが考える“市民本位の狛江市政”の基本方向

@憲法を守り、くらしに活かす市政。
A市民と共に悩み、考え、行動する市政。
B特定の階層やグループ、あるいは一党一派にかたよらず、市民の生活と生産と労働を擁護し、市民全体の福祉を追求する市政。
C“まち”の主人公が市民であることをふまえ、あらゆる市政領域で“市民参加”を大胆に広げる。中央集権に反対し、地方自治を守り育て、住民自治に基礎づけられた市政。
D利権や特権を排除し、ガラス張りで隠しごとのない、市民全体の理解と合意を前提とした、そして計画的な展開を進める市政。
E市役所職員が、市民に奉仕する専門家としての主体性と誇りをもって、そして市民と手を携えて効率的に行政執行にあたる市政。
F平和こそ市民生活の基礎であることをふまえ、反戦・平和の“わがまち”─狛江を、そして世界の実現に努める市政。
G開発優先から市民生活優先への転換、自然と共存する“まちづくり”を、市民の合意と納得、市民参加によって進める市政。
H子供達の一人ひとりが大切にされ、共に育ち合っていく学校、保育園、地域をつくりだしていく。おとしよりが心から「狛江に住んでいてよかった」と言え、「ハンディ」をもった市民が安心してくらせる、市民福祉第一、共に生き合う“まちづくり”を推進する市政。
I人間性を奪い去るあらゆる差別に反対し、社会矛盾の下で弱い立場に追いやられている市民のために「頼りになる市政」。
J大震災・原発事故を受けて、実践的防災・減災対策を確立し、原発に頼らない地域社会をめざす市政。

“市民本位の狛江市政”に逆行する現市政・高橋市長

2012年6月の市長選挙で、前市政・矢野市長を「失われた空白の16年」、「停滞」などと罵倒した高橋都彦氏が当選しました。
しかし、矢野市政の16年は、市民と力を合わせて、それ以前の乱脈で市民不在、市民に冷たい市政を大きく転換し、清潔・公正、市民が主人公、暮らし優先の市政へと大きく前進させてきた16年でした。「空白」でも「停滞」でもなかったことは、少数与党のもとでも16年間の長きにわたり、多くの市民が矢野市政を支持してきたことに示されています。
私たちは、高橋市政がいわゆる“保守市政”であるとしても、矢野市政誕生前の乱脈な市民不在の政治とは決別し、市民本位の市政運営が行われることを願い、この3年半、その動向を見守ってきました。しかし残念ながら、私たちの期待は裏切られてしまいました。

●“まちの主人公”である市民を信頼し、まちづくりのパートナーとして市民と行政が役割分担をしながら進めてきた市民派市政の根本が、高橋市政のもとで崩され、市長の好き放題なやり方で市政運営やまちづくりを進める独裁的とも言える手法がまかり通っています。

高橋市長は就任直後、市政の根幹をなす、そして矢野市政の時代には公募市民も参加して議論したうえで決定された基本計画や公共施設再編方針等を市役所内部だけで再検討し、一方的に改定しました。
年間2万人余の市民が訪れ、親しまれていたむいから民家園では、ボランティア市民団体による運営を今年3月で廃止し、時代の流れと逆行するような「直営化」を強行しました。
草の根の平和運動をしていた市民と、平和都市宣言を具体化しようとする市行政との共催事業として10年間続けられてきた「こまえ平和フェスタ」に対し、高橋市長は突然「実行委員会は偏っている」などと言いがかりをつけ、これまた一方的に共催を拒みました。
 こうした市政運営は、私たちが“市民本位の狛江市政”の基本方向として考
える「C“まち”の主人公が市民……」とはまったく反対方向を突っ走る「暴走」とも言えるものです。

●社会矛盾の下で弱い立場に追いやられている市民を守り、誰もが安心して暮らせるようにすることは、地方自治体の基本的な責務ですが、高橋市政は市民福祉に背を向け、「弱い者いじめ」の政治を続けています。

矢野市政では、税金を支払いたくても払えない人びとに対してていねいな納税相談を行い、分割納税に応じている間は差し押さえなどはしませんでした。しかし、高橋市政になってから、滞納者が納税相談や分割支払いを求めても、それに応じず、法で禁じられている児童手当や給与の全額差し押さえを行うなど、市民の生存権を脅かす、異常な徴税行政が行われるようになりました。
 
さらに高橋市政は、高齢者の個人情報を本人の同意なく警察署に引き渡し、多くの市民から苦情が殺到しました。ここにも、市民の意思やプライバシーに配慮しない姿勢が表れています。市民の個人情報漏えいの危険のあるマイナンバー制度についても、高橋市長は「縦割り行政を打破する、非常に有用な制度」と容認し、国に何らの意見も述べようとしていません。
これらの市政運営は、私たちが“市民本位の狛江市政”の基本方向として考
える、「A市民と共に悩み……」、「I人間性を奪い去るあらゆる差別に反対し……」とはまったく相容れない、“市民に冷たい市政”、“弱い者いじめの政治”と言わざるをえません。
さらに問題なのは、こうした高橋市長の政治姿勢を斟酌してか?市役所(特に幹部)職員の市民に対する横暴な態度が目につくようになっています。例えば、前述した「こまえ平和フェスタ」共催問題に関してある幹部職員は、10年間も協働してきた市民団体に向けて、「市の方針に従わない団体とは共催しない。やりたければ、市のつくった実行委員会に入ってくればいい」などと公言しているのです。
市役所窓口などで悔しい思いをした市民は多いのではないでしょうか。私たちが“市民本位の狛江市政”の基本方向として考える「E市役所職員が、市民に奉仕する……」には程遠い“古い体質の市役所”“お役所仕事”への逆戻りの事態を危惧せざるをえません。

●高橋市政は住民の声を軽視し、選挙公約に不誠実、国の言いなりになるなど“住民自治のまち”づくりから、後退の一途をたどっています。

高橋市長が選挙公約で自ら「4年間で私はやります」と約束した、水道局用地に市民運動場整備、水道道路の歩道の拡幅整備、ごみ指定袋の近隣市並みへの値下げなど、残る任期約半年となった現在でも「実現」はしていません。
元和泉地域への「都立公園誘致」問題では、事前の地元住民への十分な説明、合意形成の努力もないまま、約2360人もの市民が居住する和泉多摩川緑地の都立公園化構想素案を一方的に発表し、「立退き」対象となる地元住民の不安を惹き起こしています。
 いま、中央図書館・公民館の充実のため、《市民センターを考える市民の会》が活発に活動しています。一昨年12月、「増床を視野に入れた改築の検討を求める陳情」が4千名もの署名を付けて市議会に提出され、全会一致で可決されました。しかし、高橋市長はこの市民要望を無視。新年度予算案に改築も増築もなし、改修のみの設計予算を計上しました。多くの市民が反発し、運動がさらに一層拡大しました。その結果、市行政側が《市民センターを考える市民の会》による計画案検討に協力し、その検討結果を「尊重して」市の計画を作成することを約束し、同会が本格スタートしました。これは、矢野市政時代に一歩一歩培われてきた、狛江の市民参加・協働の蓄積、市民の力が、高橋市長に「方針転換」を決断させたものと考えます。
「原発に頼らない地域社会をめざす市政」は私たちの熱い思いですが、高橋市長は選挙時に市民団体に約束した、《脱原発をめざす首長会議》への参加も反故にするなど、脱原発社会に向けた行動は極めて消極的です。
また高橋市長は、日本を“戦争する国”にする、集団的自衛権容認の「解釈改憲」閣議決定を容認し、憲法違反の“戦争法案”に反対しないなど、平和都市宣言を持つわがまち・狛江の市長としてふさわしくない対応をとっています。

私たちは、選挙で市民の支持を得て当選した市長である以上、必要な政策変更があることまで否定はしません。しかし、“市民が主人公の市政” “市民福祉の向上” “憲法を擁護し平和な社会”という市政の根幹だけは、誰が市長になっても揺るがせにしてはならないと考えます。
この見地から私たちは、高橋市政の継続あるいは継承は、狛江市民の福祉に反すると判断せざるをえません。来年6月の市長選挙には、確固として“市民本位の狛江市政”の基本方向の立場に立ち、市民のいのち・くらし・平和を守り抜く市政を実現したいと切望しています。
いろいろな個別政策などへの考え方、支持政党や思想信条などの違いはあっても、“市民本位の狛江市政”の実現のため、市政の刷新・改革を!という一点で一致する個人が最大限幅広く参加いただける、新たな市民運動をつくりだしたいと願っております。

結成会合にご参加ください

来年6月の市長選挙で“市民本位の狛江市政”の実現をめざす市民派市長を誕生させるため、個人参加の市民団体を立ち上げ、次のような活動進めていきたいと考えています。

◇“市民本位の狛江市政”の基本方向に照らして高橋市政の検証を行なうとともに、狛江市が当面する重要課題についての政策検討を、可能な限り広範な分野で活躍する市民の皆さんと協力・共同して進め、仮称「狛江市政改革基本政策」としてまとめ、全市民の皆さんに公表・提起します。
◇ この仮称「狛江市政改革基本政策」で一致でき、“市民本位の狛江市政”実現に挑戦する市民派市長候補者を擁立します。
◇ 市民派市長候補者の必勝に向け、あらゆる市民・市民団体・政治団体・政党などに働きかけ、可能な限り最大限広範な結集を実現して、市長選挙をたたかいます。