報告                               
 衆議院22区小選挙区 第5回

市民と野党のトークライブ報告



■主催 市民連合“ちょこみな”@東京22区

呼びかけ団体 ちょうふ:戦争はいやだ調布市民の会    

まえ:戦争なんてイヤだ!狛江市民実行委員会

たか:戦争法をなくしたい!オール市民の会

ぎ:政治を変えよう!いなぎ市民の会


 

 11月4日(土)13時半から、三鷹市で市民連合「ちょこみな@東京22区(調布・狛江・三鷹・稲城)」は、「第5回市民と野党のトークライブ」を開催しました。

 その概要報告について、《戦争はいやだ調布市民の会》が発行する「伝言板」613号から、編集部の責任で転載させていただきます。

 なお、一部の写真の割愛、レイアウトの変更をさせていただきました。

 

戦争はいやだ調布市民の会「伝言板」613号(11/04)

   市民連合ちょこみな@東京22

市民と野党のトークライブ

73人の参加で熱気いっぱい

野党共闘から連合政権への発展を

6月の第4回から5カ月ぶりの今回は、初めての三鷹での開催となりまし

たが、安倍政治がいよいよどんづまりにきて、市民と野党の共闘の新たな発

展が期待される情勢のもとで、4市から73人の市民が参加し、ゲストのト

ークに耳を傾け、熱い討議を交わしました。

 今回のゲストは、立憲民主党の山花郁夫衆院議員、日本共産党の笠井亮衆

院議員。社会民主党の福島みずほ参院議員からは世界女性シェルター会議で

台湾にいるため参加できないとのお詫びを添えて「激励と連帯のメッセージ」

をいただきました。


司会は稲城の山岸太一さん。三鷹の蟻坂静夫さんが開会のあいさつで「ちょ

こみな」の由来を説明し、開会を宣しました。

最初にゲストの自己紹介を兼ねた発言

 

◆笠井 亮さん:三鷹の大沢に4歳から住んでいる。今日のみなさんのテーマ

が「共闘から連合政権へ」となっているのはタイミングが良い。2人の大臣交代は政権のモラルが壊れていることを示すが、その大本は安倍首相の任命責任と腐敗にある。英語の民間試験の実施延期は、声を合わせれば政治は動くことを明らかにしている。山花さんたちの共同会派と共に、野党共闘を進めたい。

 

◆山花郁夫さん:党では憲法調査会長。赤嶺さんと連携して憲法審査会にとりくんでいる。憲法問題を司法の受験生に教えていた。この臨時国会は政府提案は殆どないのに、時間をとって安倍さんは何をやりたいか。これと決めたら突き進む政権で、英語試験では子どもたちは「守り」に入らされていて、これは社会の損失だ。提案も矛盾に満ちており、オリンピックで押さえられているため試験場もない。これに対して、共同会派と共産が合意すればピシャっと行ける状況だ。

クロストーク@ 消費税をどうするか、経済をどうするか

◆山花さん:消費税引き上げについて安倍政権は「GDP600億にしてから」

ということで2回見送ってきたが、10月から引き上げた。これに経済は耐えられるか? 前回のオリンピックの時は景気が悪く、上を引き上げれば全体が良くなる状況があった。だが今は特需どころかトリクルダウンはない。ポイント制で消費者対策と言うのはウソで、法定価格を手厚くするなど下から底上げしないと景気向上はできない。

 

◆笠井さん:消費税と日本経済については「市民と野党の13項目」(注)で8

・9・10項目に触れているが、これをさらに発展させよう。大増税を元に戻さねば、モノをつくる産業はマイナスになる。ポイント還元については、不公平だ、よく分からない、見直しをの声が切実。社会保障のためというが大企業・大資産のために他ならない。共同して元に戻したい。

 (注)5月29日に安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合が発表した「立憲野党4党1会派の政策に対する要望書」と4党1会派の代表・委員長・党首の「この要望を受け止め、参院選勝利に向けて、ともに全力で闘います」との連署のこと。

 

<質疑> れいわの「消費税廃止」をどう考えるか? 5%なり引き下げる方

向で考えて欲しい、「消費税は失敗だった」としてほしい。れいわに全部賛成ではないが消費税廃止は賛成、アベノミクスは失敗だった、儲かっているのは安倍の友達だけだ。

 

◆笠井さん:31年やってきて問題は明らか。廃止か5%かはれいわとの合意

点になっている。段階を踏んで行くことも必要だ。安倍政治のもとで内部留保は499兆円になっているがこれにふさわしい税を払っていない。税負担は中小企業が18%に対し大企業は10%。総額1000億以上の株が莫大にあるが、株価が下がれば税金を取らない。アベノミクスは失敗で、最近安倍自身が言わなくなっている。「大企業が儲かればトリクルダウン」はもう通用しない。

 

◆山花さん:かつては1臆超えると70%の税を課されたが、たもりも「税を

払うために仕事している」と言わなくなった。累進課税をもっと細やかにかけるべきだ。消費税そのものをなくすのは疑問。所得税だと税補足の高い現役世代にだけ税が集中するので「直間比率」を見直してきた経過もある。これに対し消費税は逆進性が問題だが、景気に左右されない税だ。社会保障は制度だから景気によって変化させえないので消費税が必要(どんなに貧しくとも消費はするから)。

消費税の使い方には問題がある、8%に戻すところはOKだが、昭和の成功経験に引っ張られ過ぎ、これをただし、今後どの分野に投資していくか、どう緩やかな成長をめざすか、などの視点も必要だ。

 

<再び質疑> 野党の共通政策では財源についてより具体的にしてほしい。 

カジノは絶対にいけないと思うが? 軍事費を削ることが大きいと思うが?

 

◆山花さん:財源を詰めるのは大切。軍事費は必要かどうかはあるが、単年度

では不要なものが多い。カジノはつくらないことが大事と思う。

 

◆笠井さん:財源の裏付けなく論議しているのではなく、消費税はまず8%に

戻すことで合意し、その後も話し合いを重ねる必要がある。大阪でパチンコ店は806ホールで客に年2150億円損させるという。カジノは1店で1600億円の損をさせる、こんなものはやめよう。

 

クロストークA 日韓関係と外交問題

 

◆笠井さん:「13項目共通政策」にもあるが、安倍外交で良いのか? 今日

午前に安倍と文が10分間の会談をしたという。きっかけをつかまねばというところに来ている。一方で朝鮮王朝時代の文化財を返すかと思えば、他方で「韓国は約束を守らない、キライだ」となっているが、徴用工をめぐる人権問題は双方否定できない。被害者からは、こういうことがあったことを分かってほしい、名誉と尊厳を取り戻したい、69年協定後も個人の請求権は消えていないなどの訴えが出されている。95年の村山談話、小渕・金大中会談、パートナーシップなどがあるのに、安倍政権が反省していないことに問題がある。

 

◆山花さん:徴用工問題は、個人と民間の問題に日本政府が過剰に反応してい

る。私は外務省にいたこともあるが、オーストラリアとフィジー、ウクライナとロシア、などなど、あんまり興奮してはいけない。民間の会社が連れてきた個人の話は、公の法との関係はないものだと思う。

 

<質疑> 日韓問題は冷静にやってほしい、野党から「冷静に」とよびっけて

もらいたい。 山花さんの話は、徴用工は会社との関係と聞こえたが、徴用工は国策だったのでは?国の責任が大事だと思うが。

 領土外交政策について、「戦争やろう」という議員がいたり、4島返還が2島変換に矮小化している問題は?

 

◆山花さん:「冷静に」はその通り、それは本来政治の役割だ。韓国は「請求

しない」と言うのでああ言ったのだが・・・。千島問題は。4島とこれまで言ってきたし、決着してから平和条約という立場で来た。2島先行では2島で終わってしまう。志位さんは「千島も含めて」と言うが・・・

 

◆笠井さん:隣国は引っ越せない、仲良くせねば。徴用工問題は、国の責任が

色んな分野におよんでいる。無効であることを確認したが不当とは言っていないということもある。この国会で安倍首相が「所信表明」で「パリ講和会議」を持ちだし、日本は植民地を亡くそうとしたなどと言った。これは「日本会議」の主張の引き写しで、明らかな間違い。当時日本は植民地をやっていて、朝鮮・中国はこれとたたかっていた。

24日に志位委員長が野党の学習会でメインスピーカーを務めた時、全千島と言うのは「ヤルタ会談」でスターリンが千島を欲しいと言い、日本が千島放棄を言った経緯を語った。

 

<質疑> 朝鮮半島の平和促進に何が必要か? 

 

◆笠井さん:「13項目」に入っている点がとっかかりになる。

 

◆山花さん:韓国の議員は2年で入れ替わるので、難しさもある。

 

 クロストークB 改憲問題

 

◆山花さん:あいちトリエンナーレ展問題で審査会の森会長と話し合った。ま

た審査会の海外調査にも参加した。法務大臣がやめて審査会はストップしている。

少女像には不快感を示す人もあるが、これは「表現の自由保障」の範疇にある問題なので区別すべきだ。これが通ると、政府の意向に沿うかどうかによって色んなことが行われ、萎縮が起こる。

 

◆笠井さん:参院選の審判が下ったのに、安倍首相は「改憲の機運を盛り上げ

る」と全国でいろいろやっている。3000万署名を広げ、平気でウソをつく者が憲法を変えるのを阻止しなければ。私は被爆2世。3国会で改憲発議を阻んできたが、いっそうがんばる。中東への自衛隊派兵問題も出てきた。いま議論すべきは、憲法を変えることではなく、変法を踏みにじる現実をこそ議論すべきだ。

「審査会でこそ議論を」と言うがそこには安倍は出てこない。国民投票案はつくるな言うんじゃなく、2005年に小泉が改憲を言い、そのために国民投票をと言ったので「ダメ」と言ったのだ。

 

<どうしても質問> 教員の変形労働問題をどう見る? 萩生田罷免にとりく

まないのか? 山花さん、ヨーロッパ調査に行って何を学んだか? 気候変動の問題が重要になっているのでは?

 

◆笠井さん:いずれも重要

 

◆山花さん:同感。萩生田問題はこれでお終いにはしない。石炭火力問題では

私と笠井さんでは歯切れが悪くなるのだが・・・。ヨーロッパ視察では、森カケ疑惑で日本の「国政調査権」が弱いことを痛感し、4分の1の決議で強制力を持つドイツの「国政調査権」を学んできた。

 

閉会のあいさつは調布の鈴木彰が受け持った。

4時15分に解散。

以上

市民連合“ちょこみな”@東京22区

次回市民と野党のトークライブは、2月中旬

安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(市民連合)の「重鎮」を招き、立憲4党1会派と一緒に、シンポジュームを開催する準備を始めました。会場は調布市内になる予定です。