問題だらけの新年度予算案が可決へ

 

高橋市長が初編成した新年度予算案を審議する予算特別委員会(予特)が、3月12日〜14日の3日間開催されました。予特の構成は下記のとおり。

委員長

須田 繁美

副委員長

西村 あつ子

委 員

本橋 文武

委 員

太田 久美子

委 員

小川 克美

委 員

小野寺 克己

委 員

亀井 和美

委 員

鈴木 えつお

 

市民新聞『市民ひと輝くこまえ』1号で明らかにしましたように、高橋市長の反市民的な政治姿勢が浮き彫りになった予算と言えます。

《豊かな会》は昨年10月の総会で決定した活動方針で、「市民本位市政の後退を許さず、市民派狛江市政の復活をめざす志を同じくする共産党市議団との連携を強化します。また、課題により一致できる市議との関係を大切にし、連携を追求します。」と確認しました。

 

共産党市議団が予算組み替え動議

 

共産党市議団は、高橋市長初編成の反市民的予算案に対して、市民本位の市政の後退を許さない立場で、予算組み替え(編成替え)動議を提出して対抗しました。しかい、14日の予算特別委員会では、自民・明政、公明、民主の会派が組み替え動議に反対し、予算原案を可決させました。

本日(26)の会期最終日の本会議でも、共産党市議団組み替え動議を提出して奮闘する予定です。一人会派(無会派)の議員の皆さんの良識ある判断に期待したいと思いますが、問題だらけの予算原案を可決される見通しです。

 以下、予算特別委員会での共産党議員団による、予算の編成替えを求める動

議の提案理由説明と、原案に反対し編成替えを求める動議に賛成する立場から

の討論の内容を資料として掲載しますので、じっくりお読みください。

 

 

資料@

予算の編成替えを求める動議の提案理由説明

 

議案第4号 平成25年度狛江市一般会計予算の編成替えを求める動議について、提出者を代表し提案理由の説明を行います。

 

長引く不況の中、市民生活は依然として厳しい状況にあり、市民福祉の充実、不況経済対策の一層の充実が求められます。

こうした中、提案された予算案を見ますと、保育園の待機児ゼロに向けた認可保育園2園の開園はじめ矢野前市長がすすめてきた市民のための施策の多くが盛り込まれる一方、生活困窮の中で十分な介護サービスを受けられない方々への介護保険利用料の軽減制度はじめ、数々の切実な市民要望が盛り込まれませんでした。

また長年の市民要望である新図書館建設が代替え措置もなく中止となり、前期基本計画も、十分な市民参加もなく全面改訂されようとしています。

そのため、私たち日本共産党狛江市議団は、平成25年度狛江市一般会計予算について、市長がこれを撤回し、本動議の内容に沿って速やかに予算の編成替えを行い再提出するよう求めるものです。

予算編成替えの内容ですが、編成替えの総額は約1億5千万円、財源は財政調整基金を活用します。

総務費関係では、狛江市後期基本計画(素案)の内容の検証を行い、前期基本計画の内容をベースに第3次基本構想にそった内容にするために、市民的な検討委員会を設置します。

また市として新図書館建設をすすめるため公共施設整備基金に1億円積み増しします。

民生費関係では、認証保育所保護者負担軽減補助について、原案では補助対象が0歳〜2歳児のみだったものを全年齢に広げ、補助限度額も1万円を2万円に引き上げます。増額に要する予算は、1174万1千円です。

また介護保険利用料について、小金井市の例を参考にして、生活保護受給者を除く住民税非課税世帯について、「訪問介護」「介護予防訪問介護」「夜間対応型訪問介護」の利用料の本人負担分の4割を軽減します。これに必要な予算は600万円です。

そして東京都の補助を活用して、高齢化が顕著となっている狛江団地内またはその周辺に、高齢者の見守りや相談活動を行う「シルバー交番」を設置します。すでに23区では墨田区、荒川区、品川区など5区、多摩地域では、八王子、三鷹、町田など4市1町で実施されています。社会福祉法人等に委託し社会福祉士など専門の常勤職員などが配置され実施されています。職員の配置経費、拠点となる施設の賃貸料など1000万円の予算のうち2分の1が東京都から補助されます。

土木費関係では、住宅リフォーム助成制度を今年度に続き実施します。助成額はこれまで同様、改修工事費用の5分の1、上限20万円で、予算額は500万円です。

また家具転倒防止器具の設置助成事業を実施します。助成対象世帯は、高齢者、障がい者、生活保護受給世帯とし、家具転倒防止器具の購入費と取り付け費を助成します。500世帯分1300万円の予算です。

教育費関係では、新図書館建設のための市民的な検討委員会を設置します。現在地での建て替えも含めて建設に向けた検討を開始します。

そして諸支出金の中の、財政調整基金積立金を1億4158万3千円減額します。

これにより25年度末の財政調整基金の見込み額は10億6千万円余となりますが、翌年度の予算編成に十分対応できる額だと考えます。

以上、平成25年度一般会計予算の編成替えを求める動議について説明をさせていただきました。

委員の皆様のご賛同をお願いいたしまして提案理由の説明を終わります。

 

 

資料A

原案に反対し編成替えを求める動議に賛成する立場からの討論

 

議案第4号 平成25年度狛江市一般会計予算と、その編成替えを求める動議について、原案に反対し編成替えを求める動議に賛成する立場から日本共産党市議団を代表し討論を行います。

 

長引く不況の中、市民生活は依然として厳しい状況にあり、市民福祉の充実、不況経済対策の一層の充実が求められます。

こうした中、高橋市長が編成する初めての予算が提案されました。

予算内容を見ますと、保育園の待機児ゼロに向けた認可保育園2園の開園や、安心安全のまちづくりの拠点となる防災センターの建設、また市庁舎や保育園など公共施設の耐震改修計画の推進、また中学校給食をさらに充実させるための給食センターの建設に向けた実施設計など、矢野前市長がすすめてきた市民のための施策の多くが盛り込まれました。これらはひきつづき前進充実させていただきたいと思います。

しかし一方、市民の切実な要望に基づき、私たちが提案してきた、生活困窮の中で十分な介護サービスを受けられない方々への介護保険利用料の軽減制度や、地域の高齢化の中で、誰もが老後安心して暮らせるようにするための見守りと相談の拠点となるシルバー交番の設置、不況の中で仕事確保が厳しい中、産業振興のとりくみの一つとして、この間実施してきた住宅リフォーム助成制度、そして地震災害における被害を減少させるための家具転倒防止器具設置助成などが、予算には盛り込まれませんでした。

また高すぎる認証保育所保育料を軽減しようと予算化された、保護者負担軽減制度は、公約と切実な願いに沿ったものであり、評価するものですが、現在の認証保育所の保育料が、高い所では基本料金だけでも月額59000円、延長保育料金も入れれば月額7万円を超える状況もあり、上限1万円の助成額では不十分です。また原案では対象年齢を0〜2才としていますが、認証保育所の保育料は3歳以上になっても2千円〜3千円程度しか安くならず3歳以上児への助成も必要です。

そしてさらには、高橋市長による公共施設再編方針の見直しにより、既に建設の見通しが立てられていた新図書館建設が代替え措置もなく中止となりました。また、再編方針では「検討する」とされていた北部地域への児童館建設も整備計画から外されてしまいました。

そして第3次基本構想のもと、多くの市民の参加によって策定された前期基本計画が、十分な市民参加もなく全面改訂されようとしています。

このほか、予算審議では、市長の重点公約であり、4年間でやりますと公約した「水道局資材置き場の都立公園化」や「水道道路の歩道の拡幅」に対して、その実現に真剣にとりくむ姿勢が感じられませんでした。自らの公約に誠実でない政治姿勢は無責任と言わざるをえません。

以上の立場から、私たち日本共産党狛江市議団は、平成25年度狛江市一般会計予算原案については反対です。

一方、先ほど提案した予算の編成替えを求める動議は、原案のもつ問題点をただし、市民の願いに沿って改善拡充を求める内容となっています。

低所得者でも安心して介護サービスが受けられるようにするための介護保険利用料の軽減制度や、高齢者の見守りや相談の拠点となるシルバー交番の設置、子育て家庭への経済的支援となる認証保育所保育料の軽減制度のレベルアップなど、暮らしをささえる切実な要求です。

また不況の中で頑張っている建築職人さんの仕事確保に結びつく住宅リフォーム助成制度、地震災害への備えとして家具転倒防止器具の設置助成など、どれも切実な施策です。

同時に、狛江市後期基本計画(素案)内容の検証を行い、前期基本計画の内容をベースに第3次基本構想にそった内容にするために、市民的な検討委員会を設置することは、基本構想に示された「私たちがつくる水と緑のまち」の大きな柱となっている参加と協働の流れを後退させることなく、あらためて、しっかりと市政の根幹に位置付けるとりくみです。

また、市として新図書館建設をすすめるため公共施設整備基金に1億円積み増しし、あわせて市民的な検討委員会を設置して現在地での建て替えも含めて建設に向けた検討を開始することは、長年の市民要望である新図書館建設への展望を切り開き、市民の熱い思いに応える取り組みとして重要です。

よって日本共産党狛江市議団は、原案に反対し、予算の編成替えを求める動議に賛成いたします。