シリーズ 都知事選振り返り特集 第1回 |
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都知事選挙を闘った《鳥越俊太郎さんを応援する狛江勝手連狛江勝手連》から、選挙戦の“総括”論議を《豊かな会》会報『豊かな狛江』を“場”にして深めていきたい旨の要請があり、快く承諾しました。 |
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目次 その1 7月都知事選挙/狛江勝手連の報告 越俊太郎さんを応援する狛江勝手連/絹山達也 その2 誠実な対応を望む ─都知事選をめぐって─ 石川 巖 その3 東京都知事選挙についての私見 増田 善信 その4 都知事選について感想 和田哲子 その5 「野党共闘」の力を発揮できなかった都知事選挙 ―敗因をきちんと総括すべきー 原田一行 その6 都知事選挙の結果について 西尾真人 その7 2016年7月都知事選を振り返って 一木英介 |
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7月都知事選挙/狛江勝手連の報告 2016/08/18 鳥越俊太郎さんを応援する狛江勝手連/絹山達也 7月の都知事選挙、みなさん、お疲れ様でした。 結果は、「4野党統一候補」の鳥越俊太郎候補の獲得票は、後述のとおり4野党が直前の参院選で獲得した248万票の半分をやっと超えた1,346,103票(得票率20.56%)にとどまり、前回(2014.2.9)宇都宮けんじさんが獲得した982,594票(得票率20.18%)をわずかに上回った結果となりました。 選挙戦について「大健闘」という評価もありますが、わたし個人は“惨敗”、言い過ぎならば「大敗」と感じていますが、評価するそれぞれの視点(日本の政治変革という視点、あるいは都民本位の都政の実現という視点など)によってこれは違ってきます。いわば“総括”の問題です。 この“総括”ですが、別掲の文書を寄せていただいた石川巖さんが指摘しているように、少なくとも現時点では「総括らしい総括が見当たりません。」 この“総括”論議を可能な限り深めたいと願っています。投開票日の翌日・8月1日、わたし(《狛江勝手連》の立ち上げを呼びかけた《豊かな狛江をつくる市民の会》(以下《豊かな会》)事務局長の責任で、連絡のつく方々に、8月8日「ご苦労さん会」の開催を、メールアドレスを把握できている方々に呼びかけました。ここで一定の、“総括”論議を狙っていたのですが、「参加」のご返事が3人にとどまったため、やむなく中止。代えて、《豊かな会》会報9月号で「都知事選振り返り特集」を組むので、文章を寄せてほしい旨を要請しました。 したがって、《狛江勝手連》としての“総括”論議は、《豊かな会》会報『豊かな狛江』を“場”にして深めていきたいと思います。 ぜひ!みなさんのお考え、ご提起をお寄せください。 @前回都知事選(2014.2.9)《狛江勝手連》のとりくみ ◎1月10日、狛江勝手連の立ち上げ相談会。11名が参加、以下を確認。 ■狛江勝手連の名称など ◇会の名称は、前回と同じ「宇都宮けんじさんを応援する狛江の会」とする。 ◇会の構成は、個人参加とする。 ◇経費は、市民からのカンパで賄う。 ■全戸配布用の連名ビラを作成する。 ■駅頭のリレースピーチを連続開催する。 ■駅頭夕方宣伝にとりくむ。 ■告示(1月23日)以降のとりくみ ◇法定ビラの各戸配布 ◇駅前でのメガホン宣伝 ◇市内宣伝チャリンコ(自転車)隊 ◇電話などでの支持拡大 ◎全戸配布用の連名ビラ ◇作成部数 2万枚 ◇「宇都宮けんじさんを応援します」との連名者は84人に達した。 ◇確認団体の事前ビラとセットにして、18日(土)から22日(木)に間に各戸配布、および駅頭手渡しで撒ききった。 ◇約30人の方達が各戸配布を担った。 ◎狛江駅頭でのリレースピーチ ◇時間はいずれも午後2時〜4時で設定 ◇12日(日) スピーカー7人 全体11人 確認団体の事前ビラを配布(約400枚) ◇13日(月) スピーカー12人 全体22〜23人 確認団体の事前ビラ、《革新都政をつくる会》のビラを配布(約500枚) ◇18日(土) スピーカー7人 全体12人 確認団体の事前ビラと狛江独自ビラをセットして配布(枚数不明) ◇19日(日) 寒風強く、3時30分過ぎに終了 スピーカー7人 全体15〜16人 確認団体の事前ビラと狛江独自ビラをセットして配布(枚数不明) のぼり旗2本登場 ◎駅頭夕方宣伝 ◇時間はいずれも午後5時30分〜6時30分 ◇20日(月) 喜多見駅 スピーカー5人 全体12〜13人 ◇21日(火) 狛江駅 スピーカー4人 全体12〜13人 ◎告示(1月23日)以降のとりくみ ◇公営掲示板へのポスター貼り △市内104箇所 △共産党市委員会が担ってくれた。 ◇公選はがき書き 多くの人達で分担し、30日までに4,217枚が集約できた。 ◇駅頭メガホン宣伝 △法定ビラを撒きながら、のぼり旗2本を立て、オレンジのジャンバーに身を包み、メガホン宣伝を実施した。 △24日から連日実施。最終日は吹雪のため30分で引き上げたが、貫徹した。 ◇市内宣伝チャリンコ(自転車)隊 △のぼり旗2本を立て、全員でオレンジ色ジャンバーを着用、メガホンを首から提げて、市内を走り回った。 △3日間、延べ17人参加。 ◇法定ビラの各戸配布 △法定1号5,000枚、2号10,000枚を約20人で各戸配布した。 △その他、共産党の皆さんが『東京民報』を各戸配布した。 A今回《鳥越俊太郎さんを応援する狛江勝手連》のとりくみ 前回の《狛江勝手連》立ち上げは1月10日、投開票日(2月9日)のちょうど1カ月前でした。今回の立ち上げは7月17日、投開票日まで2週間しかありませんでした。しかもすでに告示後、不当な公選法規定による“がんじがらめ”で、取り組める行動はきわめて限定されてしまいました。 ◎6月23日、《こまえ社保協》が7・13市民集会開催を決める 6月23日に開催された《こまえ社会保障推進協議会》役員会は、告示日前日の7月13日(水)午後7時から「暮らしと平和を守り、憲法をいかす東京を 7・13市民集会&市内デモ」の実施を決めました。 《こまえ社保協》が呼びかけた実行委員会には、東京土建・狛江支部、《豊かな会》、《戦争なんてイヤだ!狛江市民実行委員会》などが参加し、7月13日当日は60人以上の皆さんが結集しました。 この時点では、宇都宮けんじさんの「大局的な観点から考え、今回の選挙戦からは撤退」するとの“英断”の報は入っておらず、伊藤千尋さんの基調講演(『豊かな狛江』8月号に掲載済み)の後におこなわれた行動提起でも、宇都宮・鳥越両方ガンバレ!的な内容でした。 7時45分頃、にぎやかにデモ出発。狛江三叉路付近で、宇都宮けんじさんが“英断”記者会見との報告が入り、「鳥越俊太郎と都政を変えよう!」のシュプレヒコールが加えられたという状況でした。 ◎7月6日、《豊かな会》臨時世話人会で宇都宮さん支援を確認 市長選挙の振り返り論議と都知事選に向けた相談を主題に開催した臨時世話人会でしたが、参加者は少なく、正式に成立した会議とは言えないかも知れません。 都知事選については、「4野党統一候補」の候補として名前が報道されている民進党国会議員らでは「やろう」という気にならない、宇都宮さんが出るのであれば前2回同様に勝手連をつくってとりくもう、との話になりました。 わたし(絹山)は、例え「4野党統一候補」にならなくても、宇都宮さんを応援しようという結論だったと理解しましたが、後日他の出席者から異論がありました。したがって、この日の臨時世話人会では、「4野党統一候補」と宇都宮さんが並立した場合に《豊かな会》としてどうするか?までは詰め切れていませんでした、というのが正確な報告になると思います。 ◎宇都宮けんじさんの告示前ビラ配布をとりくむ 宇都宮さんを応援して前2回の都知事選を確認団体として闘った《希望のまち東京をつくる会》は7月9日、宇都宮さんの写真・政策等を掲載した告示前ビラ(50万枚)の配布協力要請を全都の仲間達に発信しました。 この要請を受け、わたし(絹山)は7月10日、メールアドレスを把握できている方々に「宇都宮けんじ事前ビラを配りましょう」と送信しました。 7月11日から12日午前にかけて、延べ9人の方々により、市内の集合住宅を中心に約3,000枚の宇都宮事前ビラを配布しましたが、「4野党統一候補に鳥越俊太郎決定」旨の報道を受けて急遽、ご協力いただいていた皆さんに配布中止を連絡しました。 ◎7月14日選挙告示日、《狛江勝手連》立ち上げの呼びかけを発信 7・13市民集会&市内デモの一定の盛り上がりに元気をもらい、「絹山達也(豊かな狛江をつくる市民の会・事務局長)」名で、要旨以下のような呼びかけを発信しました。 後掲しましたコメント(割愛)にありますように、宇都宮けんじさんは7月13日、「大局的な観点から考え、今回の選挙戦からは撤退」という「さらに運動を前進させるための苦渋の決断」をされました。まさに“英断”であるとわたしは考えます。 鳥越俊太郎さんを擁立した野党4党は、宇都宮けんじさんの“英断”に報いる義務があると思います。鳥越知事誕生に向け、政党としての役割をキチンと果たさなくはなりません。 わたしが事務局長を担当する《豊かな狛江をつくる市民の会》は、狛江の市民本位の市政の後退を許さず、市民派市政の復活を実現すためには、都政の変革が重要であるとの判断のもと、過去2回の都知事選挙で宇都宮けんじさんを推薦するとともに、幅広い市民が結集できる勝手連、「宇都宮けんじさんを応援する狛江の会」を形成してたたかいました。 今回の選挙戦は、野党4党が中軸を担う筈ですが、鳥越市民派知事絶対誕生、「希望のまち東京」を実現するため、ここ狛江からも市民運動のうねりをつくりだしたいと思います。 狛江の勝手連立ち上げに向け、ぜひ相談会においでいただけますよう、心から要請いたします。 ◎7月17日、《狛江勝手連》立ち上げ、行動開始 17日の立ち上げ相談会は、共産党・社民党の市議さんを含めて9人の出席にとどまりましたが、《鳥越俊太郎さんを応援する狛江勝手連》の始動を確認することができました。 相談会ではまず、鳥越俊太郎さんが15日に発表した政策の中身を確認し合いました。「大局的な観点から考え、今回の選挙戦からは撤退」という「さらに運動を前進させるための苦渋の決断」をされた宇都宮けんじさんの政策が十分に生かされているのか?安保法制=戦争法廃止を求めることが明記されていない、などの疑問も出されました。 しかし、4野党+市民の共闘で「東京から日本を変える」という「大局的な観点」から、そして宇都宮けんじさんの“英断”に応えるためにも、必ずや鳥越市民派知事を誕生させるため、ここ狛江からも市民運動のうねりをつくりだすため、《鳥越俊太郎さんを応援する狛江勝手連》の立ち上げを確認・決定しました。 ◇会の名称は、「鳥越俊太郎さんを応援する狛江勝手連」とする。 ◇会の構成は、個人参加とする。 ◇会の連絡先は、 東和泉2−20−12 えのき2番館103号室 《豊かな狛江をつくる市民の会》(担当者=絹山事務局長) 電話&Fax 03−3488−3981 ──とする。 ◇経費は市民からのカンパで賄うが、今のところ経費がかかる予定なし。 ◇行動の中心は駅頭メガホン宣伝 △法定ビラを撒きながら、のぼり旗2本を立て、横断幕を掲げて、メガホン宣伝を実施します。 △実施日程は以下のとおりです。結集状況など、結果は後述。 19日(火)午後5時00分〜6時30分 狛江駅 20日(水)午後5時00分〜6時30分 喜多見駅 ※雨天の場合は、狛江駅高架下に移動 23日(土)午後4時00分〜5時30分 狛江駅 24日(日)午後4時00分〜5時30分 狛江駅 27日(水)午後5時00分〜6時30分 喜多見駅 ※雨天の場合は、狛江駅高架下に移動 29日(金)午後5時00分〜6時30分 狛江駅 30日(土)午後4時00分〜5時30分 狛江駅 ◇その他のとりくみ △室内集会(個人演説会)の可能性の追求 共産党・社民党にお願いして取り組みました。24日にエコルマホール6階の多目的室を確保できましたが、鳥越候補の来狛要請に「選対本部」のOKは取れませんでした。また、候補者抜きでも「野党+市民の共闘」の決起集会を、とも考えましたが、民進党・生活者ネットの市議さんと「日程調整」がつかず、 断念しました。 △公選はがき書き 推薦政党・政治団体が担ったようで、市民勝手連には分担がありませんでした。 △法定ビラの各戸配布 《鳥越俊太郎さんを応援する狛江勝手連》としては、駅頭メガホン宣伝で配布しました。共産党など推薦政党・政治団体が、各戸配布をおこなったようですが、その規模は把握していません。 また、共産党は、《革新都政をつくる会》の号外ニュースの全戸配布にとりくみました。 △電話による投票依頼 各人で都内のご友人・お知り合いの方々に、鳥越俊太郎さんへの投票を呼びかけてほしい、との呼びかけを発しましたが、《狛江勝手連》独自に組織的取り組みには手が付きませんでした。 △候補者カーの来狛 実現すれば多くの人に駆けつけてもらおうと考えましたが、結局、実現しませんでした。 25日午後3時、確認団体宣伝カーが狛江駅北口前に来て街頭演説をおこないました。《狛江勝手連》も「ぜひ!おいでください」と呼びかけを発信しました。 民進党など推薦政党・政治団体中心の街頭宣伝でした。 ◎わたし達は《狛江勝手連》は市民に何を訴えたのか 上記概括のとおり、駅頭メガホン宣伝中心、と言うかそれだけの活動になってしましました。前回(2014.2.9執行)に比べると、とても半分にも達していない行動量だと思います。 ◇駅頭メガホン宣伝への結集状況など △19日(火)午後5時00分〜6時30分 狛江駅 天気晴れ。約20人結集。メガホンによる集団宣伝と法定ビラ配布。 △20日(水)午後5時00分〜6時30分 喜多見駅 天気曇り、時々晴れ間。メガホン隊6人、法定ビラ配布約10人。 △23日(土)午後4時00分〜5時35分 狛江駅 天気曇り。約20人。メガホンによる集団宣伝と法定ビラ配布。 △24日(日)午後4時00分〜5時30分 狛江駅 天気晴れ。約30人。メガホンによる集団宣伝と法定ビラ配布。 △27日(水)午後5時00分〜6時30分 喜多見駅 天気曇り。約20人。メガホンによる集団宣伝と法定ビラ、《革新都政をつくる会》の号外ニュース配布 △29日(金)午後5時00分〜6時30分 狛江駅 天気晴れ。約30人。メガホンによる集団宣伝と法定ビラ、《革新都政をつくる会》の号外ニュース配布 △30日(土)午後4時00分〜5時30分 狛江駅 北口は野外コンサートのため、南口でメガホンによる集団宣伝 天気晴れ。20数人。《革新都政をつくる会》の号外ニュース配布 ◇メガホン宣伝で訴えた内容 メガホン集団宣伝で訴えた内容は、以下のとおりです。途中、何度か参加者の意見を受け、部分修正しましたので、最終日のものを掲載します。 この訴えは、どこまで市民の皆さんの共感を得ることができたのでしょうか。 ■みんなに都政を取り戻す、都知事には鳥越俊太郎をよろしくお願いいたします 私たちは、都知事候補鳥越俊太郎さんを応援する「狛江の勝手連」です。公職選挙法の改悪により、マイクが使えないので、メガホンで鳥越俊太郎候補の政策を訴えています。ご協力ください ◇野党と市民の統一候補、鳥越俊太郎とともに都政を刷新・改革しましょう ◇鳥越俊太郎は「住んでよし、働いてよし、学んでよし、環境によし」の「四つのよし」の東京をつくります ◇人権、平和、憲法を守る東京をつくる鳥越俊太郎です ◇鳥越俊太郎とご一緒に、安倍政権の暴走にストップをかけ、東京から日本を変えましょう ◇安保法制、憲法違反の戦争法を廃止する鳥越俊太郎です ■みんなに都政を取り戻す、都知事には鳥越俊太郎をよろしくお願いいたします ◇鳥越俊太郎は、大型開発の予算を、待機児童、介護などの充実に回します ◇鳥越俊太郎は、認可保育所を増やし、給料アップで保育士さんを増やします。 ◇特養ホームを増やし、介護の不安を無くすのは、鳥越俊太郎です ◇鳥越俊太郎は、学費を引き下げ、返済の必要ない奨学金を拡充します ■みんなに都政を取り戻す、都知事には鳥越俊太郎をよろしくお願いいたします ◇鳥越俊太郎は、建物の耐震化・不燃化で、災害に強い東京をつくります ◇再生可能エネルギーの普及に全力をあげる鳥越俊太郎です ◇鳥越俊太郎は、望む人すべてが正社員になれる、格差のない社会をめざします ◇鳥越俊太郎は、経費削減をはかって、オリンピック・パラリンピックを成功させます ◇鳥越俊太郎は、ガンを克服し、フルマラソンを完走した体力と実行力で都政を刷新・改革します ■みんなに都政を取り戻す、都知事には鳥越俊太郎をよろしくお願いいたします ◇この選挙は、舛添、猪瀬と2代続いた「政治とカネ」での辞任が原因の選挙です。自民党・公明党には責任を取ってもらいましょう。自民・公明が推す元岩手県知事も、自民党籍のままで立候補し、同情票で票をかすめる女性候補も同罪です。 ◇自民党はどちらが勝ってもいいのです。「競い合わせて票を伸ばす」、こんな自民党の策略に負けるわけにはいきません。鳥越俊太郎をよろしくお願いします ◇鳥越俊太郎は、舛添疑惑を徹底解明し、クリーンでまともな都政を取り戻します ◇核武装を主張する女性候補も、原発推進の岩手県元知事もごめんです。鳥越俊太郎は、東京から250キロ圏内の原発の廃炉を、電力会社、特に東京電力に申し入れます ◇鳥越俊太郎は、核兵器も原発もいらない非核東京宣言を世界に発信します B今回の開票結果の確認 今回の開票結果をまず確認したいと思います。いずれも都庁、市役所のホームページからの資料です。 ◎東京都全体の開票結果 都選管発表 ◇当日有権者数 11,083,306人 ◇投票者数 6,620,407人 ◇投票率 59.73%(前回 46.14%) ◇有効投票数 6,546,362票 ◇候補者別得票数
◎狛江市の開票結果 市選管発表 ◇当日有権者数 67,772人 ◇投票者数 42,441人 ◇投票率 62.62%(前回 50.90%) ◇有効投票数 41,999票 ◇候補者別得票数
C投票率について 直前の参院選よりも高い投票率であり、また6月市長選よりも15ポイント以上も高く(都政より市政のほうが身近で、生活に直結していると思うのですが)、今回都知事選への市民の関心は高かったと言えます。 繰り返しになりますが、それにしても市長選の47.01%は低すぎますね。
D前回宇都宮選挙との得票比較と検討 ◎前回の主要4候補の得票 前回(2014.2.9執行)は16名が立候補。宇都宮を推薦した政党は、共産・社民。舛添の推薦は表面上、自民・都連にとどまったが、安倍政権の全面支援を受けました。「原発ゼロ」を掲げた細川の支援には元首相・小泉も付き、脱原発を考える都民の票が宇都宮と分散したと思えます。 田母神の20代での得票率が、『朝日』出口調査で24%(宇都宮19%)だったこともショック(?)を与えました。
宇都宮の狛江での得票率23.46%は、都全体を3.28ポイント上回っています。手元の資料では、これは@清瀬市(25.3%)、A国立市(24.2%)、B東久留米市(24.1%)、C多摩市(24.0%)に次ぐ第5位(順位にこだわるわけではないのですが)の得票率でした。 ◎今回の主要3候補の得票
一目瞭然、鳥越さんの得票率は、前回の宇都宮さんとほぼ同じ。4野党、生活者ネット、緑の党GJ、市民の声ねりま、そして市民による共闘が形成された筈でしたが、都民・市民からの共感を得るには至らなかったことは明らかです。 狛江での得票率22.59%は、都全体を2.03ポイント上回っていますが、前回宇都宮の得票率23.46%にも達しませんでした。候補者の問題、政策の問題などがあるにしても、「4野党共闘」の効果は、少なくとも狛江では「ゼロ」だった、とは言いすぎでしょうか? 各市区町村別で見てみますと、@清瀬市(26.8%)、A国立市(25.8%)、B大島町(25.6%)、C東久留米市(25.1%)、D多摩市(25.1%)といずれも前回より得票率を上げています。今回は、大島町を初め島嶼部で鳥越の得票率が前回宇都宮より増えており、狛江市の順位は20位程度にとどまりました。やはり、わたし達《狛江勝手連》の行動量が、前回と比較してとても半分にも達していなかった、その結果だと思います。 それにしても、前回と同じく清瀬市、国立市、東久留米市、多摩市が頑張りました。その“市民力”
と言うか、政党の活動を含めた、市民の運動の中身、あるいは蓄積について、ぜひ一度(だけでなく)学び、検証する機会を持ちたいと個人的には思っています。 E参院選結果と対比し、「4野党共闘」の効果を検討 直前の7月10日に執行された参院選の東京都比例代表で、「野党共闘」及びそれに同調するとわたしが判断した政党等の投票数(当然、名簿登載の個人名記載票を含む。端数=按分票は四捨五入)は下記のとおりです。
小林節さんの《国民怒りの声》を含めれば、狛江で17,935票を獲得していたのです。都知事選の投票数のほうが8.8%増えていますので、本来なら(?)19,500票をとれる陣形だった筈です。しかし、鳥越さんの得票は9,487票。その半分にも達しませんでした。 ここで、『朝日』の出口調査を参考にしてみましょう。わたしの手元にあるのは新聞紙上に掲載されたデータのみですので、もっと詳しい調査結果を入手済みの方は、ぜひ分析を深めてみてください。 また、参院選の東京都比例代表で各党に投票した人が、『朝日』の出口調査で必ずしも当該政党を「支持する」とアンケート用紙に書いたとは思えませんので、以下はわたしの推測となります。 鳥越俊太郎に投票した人々は、民進党支持層の56%⇒4,594人、共産党支持層の67%⇒4,259人となります。これでもう8,853票です。あと残りは634票ですので、社民党、国民怒りの声、生活の党に投票した計3,377人の5%にしかなりません。これらの人を『朝日』の出口調査の「無党派層」に仮に分類すれば、鳥越は19%ですので、642人が投票したことになります。数字的にはほぼ合ってきます。 しかし、「19%」というのは、社民党・生活の党に失礼な話でしょうから、「共産党支持層の67%」が固いとすれば、民進党支持層から「4,594人」というのを割り引いて考えるしかないでしょう。 F“次”のために皆さんで“総括”論議を進めましょう 以上が「狛江勝手連の報告」となりますが、「総括らしい総括が見当たりません。」との石川さんの指摘(次頁)に応えられる文章にはなっていません。 冒頭に書きましたように、《狛江勝手連》としての“総括”論議は、《豊かな会》会報『豊かな狛江』を“場”にして深めていきたいと思います。ぜひ!みなさんのお考え、ご提起をお寄せください。 現時点でわたしが、“総括”論議のテーマにしなくはならないと考えているのは、以下のようなことです。 ◇7月10日の参院選では、狛江で「護憲勢力」(と判断できる)候補が選挙区で約1.8万票、比例代表で2万票以上を獲得していたのです。 4野党、生活者ネット、緑の党GJ、市民の声ねりま、そして市民による共闘が形成された筈でしたが、都民・市民からの共感を得るには至らなかったのは何故なのか?これが基本となります。 ◇“戦争国家”と対決する政治戦・選挙戦を闘う「野党と市民の共闘」の中身、政党・政治団体の役割、“市民”の果たす役割はなんなのか? ◇宇都宮さん陣営への対応を含めて、鳥越さんを「4野党統一候補」に決定していく過程に“市民”は存在したのか?をきっちり検証しないと、今後の政権を争う総選挙などの闘いに向けた「野党と市民の共闘」の前進はあり得ないと思います。 ◇候補者本人の問題です。有名であればいいのか、年齢の問題、政策の中身、週刊誌による「スキャンダル」攻撃への対応など、《狛江勝手連》としては荷が重たいかも知れませんが、検証が必要だと思います。 ◇訴える政策の中身とその作成過程、政党が前面に出た選挙戦のあり方など、今後の「野党と市民の共闘」による政治変革のために、多くの課題を残した選挙だったと思います。 ◇この点では、圧勝した小池陣営には、(正邪は別にして)きちんとした選挙参謀集団と戦略があったと思えます。今後、いろいろ情報も出てくるでしょうから、ぜひ学ぶべきことはくみ取っていきたいと思います。 |
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誠実な対応を望む ──都知事選をめぐって── 石川 巖 「鳥越俊太郎さんを応援する狛江勝手連」として取り組んだ都知事選挙は惨敗に終わりました。宇都宮健児さんの「大英断」に応えられませんでした。 野党四党の共闘が成立し、一方自民党陣営が分裂して“みんなに都政を取り戻す”絶好の機会と思えたので、私自身も本気で運動したつもりです。駅頭で行った原始的・古典的とも言えるメガホン宣伝も初めての体験でした。 しかし、鳥越票は当選した小池ゆり子票291万票の半数にも満たない134万票でした。先の参院選の4党得票の合計248万票にもはるかにおよばず、共闘効果は得られませんでした。 この現実を前にして何をどのように考えたらいいのか、落胆とモヤモヤ状態が続いています。 第一に、野党統一候補に鳥越氏が決まった経緯・真相が知らされていないことです。 鳥越氏に決まった後、宇都宮健児氏を説得して廻った様子は報道されましたが、そもそもなぜ4党間で鳥越氏に決まったのか、なぜ宇都宮氏ではダメだったのか、各党がそれぞれどのように主張し、どんな議論が交わされたのか…。 肝心なことがどこからも明らかにされていません。この点に限って言えば“密室協議”のように思えます。事態の核心とも言うべき候補者問題を政党だけの認識にとどめては、市民との間に真の信頼・連帯は生まれないのではないでしょうか。 第二に選挙戦の総括らしい総括が見当たりません。 「都政を変えて日本を変えよう!」という壮大な旗を掲げた闘い、しかも都知事選としては初めて野党共闘が実現した闘いだったにしては、終わってからの潮が急速に退くような静けさには戸惑いを感じます。 選挙戦の成果・問題点・教訓などを明らかにする普通の総括がなぜ進まないのでしょうか。みんなに都政を取り戻せなかったばかりか、超タカ派知事を許したのはどうしてなのか…。 多くの市民もきっとこの点に強い関心を抱いているに違いないと思うのです。選挙戦全体を見渡せた四野党にはキチンと総括する責任があるのではないかと思いますが、どうもそれを避けているように見えてなりません。 共産党は“大健闘だった”と評価していますが、選挙結果に照らせばあまりにもギャップが大きく違和感を禁じ得ませんし、総括とはほど遠い内容です。 私はインターネットのような情報入手ツールを持ち合わせませんので、認識も狭いかも知れません。その認識の範囲でモヤモヤの出所を探って見ましたが、統一候補決定過程が不透明のままであり、選挙戦の総括も事実上放棄されていて、野党の誠実さ不足を感じざるを得ません。 今後、野党と市民が対等な関係を保って共闘を発展させるためにも、誠実な対応への転換を強く望みます。 東京都知事選挙についての私見 増田 善信 1、 候補者問題 鳥越さんの問題 勿論、私も宇都宮さんで統一できれば最高だったと思います。しかし、民進党が宇都宮さんでは統一できないということで鳥越さんになったと思います。 これは確認したわけではありませんので、あくまでも私の憶測にしかすぎませんが、鳥越さんは直前の参議院選挙で自公など改憲勢力が議席の3分の2以上を占めたことに危機感を感じ、野党統一ができないままで選挙に突入することは絶対に避けなければならない。「自分が立候補して統一ができるのであれば」と思って、選挙告示日ぎりぎりに立候補を表明したのだと思っていました。 それを裏付ける記事が載った「都民がつくる革新都政」(2016年8月15日号)が今日(8月22日)届いた。そこには鳥越俊太郎さんの「都知事選をたたかって」という一文があり、鳥越さんはその中で「都知事選に立候補を決断した理由は二つあります」と述べています。そして、その二つの理由として「参議院選挙の開票を見ているうちに『これは日本は大変なことになるぞ!』と危機感を覚えました。(中略)もう一つは参議院選挙で一定の成果を上げた野党共闘の流れを今後の政治の中にしっかりと固定することの意味を自分の中で再確認しました。第二次大戦末期フランスやイタリアで姿を現した反ファシズム統一戦線の教訓は歴史的な事実として認識しているので、今、日本で存在する『安倍独裁政権』に対抗するには全野党の協力、つまり反安倍統一戦線方式しかないのでは、との思いがありました」を挙げています。 8月20日付「朝日」夕刊の「ぶっちゃけ聞いてみた」で鳥越さんが「都知事になるには都政について体系的に政策や意見をまとめておかないと無理だったんだろうなっていうことは、やってみて分かった。正直言って僕にはなかった」という発言を捉えて、「こんな考えで立候補したのか」と非難される人もでるのは当然だと思います。 しかし、私はその次の「『ストップ・ザ・安倍』の思いだけで手を挙げたから」という所が重要だと思います。何としても「ストップ・ザ・安倍」を実現しなければならない。そのためには何としても野党共闘を続けなければならないと思われたのだと思います。 そのことは、同じ文章の中で、「都知事というのは『日本のナンバー2』なんだよ。だから意味があった。都知事の発言というのは、国内でも海外でも影響が大きい。何百人もいる国会議員の一人になってどうする。それでは意味がない」と語っています。何としても、都知事になって、「立憲主義を守り、憲法9条を守り、戦争法に反対」という発言を都知事として海外に発信したい、これが鳥越さんがやむにやまれない思いで立候補されたのが真意だと思います。 問題は、私たちがこの鳥越さんの気持ちに十分応えられなかったことです。勿論、選挙期間が短く、鳥越さんを都民に十分押し出せなかったことが最大の原因だと思いますが、われわれの中に最後まで、「もし宇都宮さんだったらなあ」という気持ちが消えず、そのことが都民に影響したと思います。私自身、鳥越さんを頼むときに、「宇都宮さんであればよかったのですが、野党共闘を強めるため鳥越さんになったのです」と説明しながら支持を訴えていました。これでは支持が広がらないのは当前だと思います。 その中で134万票もの得票を得たのです。「大健闘」と言ってなぜ悪いのでしょう。恐らくこのような評価は「狛江勝手連」の人たちには受け入れられないかと思いますが、私はこの評価を変える気持ちはありません。 宇都宮さんの問題 宇都宮さんが前々回の都知事選挙に立候補され、それから8年、都議会をほとんど毎回傍聴され、都政の民主的改革の政策を練り上げてこられたという点だけでも都知事候補に最適の人であったと思います。その宇都宮さんが「野党共闘のため」ということであったとしても、立候補を辞退せざるをえないということはまさに断腸の思いであったと思います。 従って、私たちには宇都宮さんの英断に応える義務があったと思います。しかし、鳥越落選という結果で、私たちはこの義務を果たすことができませんでした。この点で、宇都宮さんに謝罪をしなければならないと思います。 しかし、同時に宇都宮さんにも自己批判していただきたいと思います。それは、宇都宮さんが最後まで鳥越さんの応援をされなかった点です。私は、何回も宇都宮さんのホームページにメールをし、「鳥越さんの街頭演説会に参加して、応援演説をしてほしい」と頼みました。しかし、全く返事がなく、本当の最終盤になって、「鳥越さんを応援する条件数点を鳥越さんに提示した。ほとんどは適切な回答であったが、『週刊誌で暴露された女性問題について記者会見を開いて謝罪をすること』という要求については回答を拒否されたので応援はできない」という趣旨でした。 私は驚きました。鳥越さんはこの問題が出た時、「こういう問題ではいくら事実と違うといっても、『本人はそう言っている』と言って絶対に白黒がつかない。雑誌社を『告訴』する以外ないのだ」として告訴をされました。宇都宮さんは弁護士ですから、多くの人が”痴漢問題”の冤罪で泣いている事実を知っておられると思います。「それは事実と違う」と言っても、それを証明する方法がないのです。そのために「痴漢」という汚名を受けて一生を棒に振った人も多いのです。鳥越さんはそのことを明らかにした上で、雑誌社を告訴したのです。 弁護士である宇都宮さんがこのような事実を知らないはずはないと思います。その宇都宮さんがそのことを十分知りながら、「記者会見で謝罪すること」を鳥越応援の条件にしたのは、もともと鳥越さんを応援する気持ちがなかったといわれても仕方がないと思います。この点で、宇都宮さんの本心を知りたいと思います。 2、 小池百合子さんの得票は何を語っているか。 小池さんは291万票もの得票を得て当選しました。多くの人は鳥越さんが134万票しか取れなかったことを問題にしていますが、小池さんがなぜこんな大量得票を得たかを検討する必要があると思います。絹山さんの分析は優れていますが、小池さんの票に多くの民進党支持票や共産党支持票が入っていることを見逃していると思います。多くの人が「反自民」というポーズに迷わされて投票したのではないかと思います。 出口調査 [小池] [増田] [鳥越] [他] 上の表は「朝日」と「毎日」の出口調査の結果です。民進党に対する値はやや違いがありますが、他の政党と無党派層に対する値はほとんど同じです。従って、この出口調査はきわめて精度が高いと考えられるので、この表の平均値を使って議論を進めます。 小池さんはいち早く立候補を表明し、自民党東京都連の推薦を得られなかったことを最大限に利用し、「反自民」の姿を都民に植えつけました。都政の問題でも、待機児童の問題や、介護の問題なども積極的に取り上げ、あたかも都民の切実な要求の救世主のように振る舞いました。しかし、猪瀬、舛添と2代続いた「政治とカネ」の問題にはほとんど触れませんでした。その結果、街頭演説会は尻上がりに増えていき、緑の色を身につけた婦人の「勝手連」であふれるようになりました。 その結果、自民党支持者の約50%、公明党支持者の24%、民進党支持者の34%、共産党支持者の18%、無党派の51%が小池氏に投票したのです。実に自民党支持層のほぼ半数が小池氏に投票したという事実は、自民党支持層の中の約半分は、安倍政権の強権政治に反対している勢力であることを示唆していると思います。 問題は、本来鳥越さんに入るべき票の中から、民進党の34%、共産党の18%もが小池氏に流れ、無党派の半数が小池氏に投票しているという事実です。 実は私は私の住む狛江市和泉本町2丁目の全域の有権者台帳を使って、すべての選挙で、勿論、今回の市長選挙、参議院選挙、都知事選挙でも、電話を使って野党統一候補や共産党の「票読み」を行いました。しかし、今回の都知事選挙ほど困難な「票読み」を行ったことはありませんでした。狛江市長選挙では平井里美さんの、参議院選挙では共産党の支持を約束してくれた人の中で、かなりの人が「今度は小池さん」というのです。理由を聞くと「自民党に反対している」とか「待機児解消をやってくれそうだ」という答えでした。中には「増田さんが野党共闘を推進するためというので、私は鳥越さんを支持するが、他の人には薦められない。みんな『なぜ小池さんで悪いのか』といわれ、説明できないから」という人もいました。この都知事選挙直後に、ブログに「小池百合子氏の勝利は反自民の勝利」をアップし、物議をかもしましたが、あながち間違っていなかったのではないかと思っています。問題は待機児解消や介護制度の充実など、都民の要求に密着した公約を実現させることです。そこで初めて小池氏の本当の姿が都民に明らかになるのではないかと思います。まさに、これからが勝負です。 都知事選について感想 和田哲子 石川さんのご意見に同感です。 本当に今回の都知事選の候補者の決まり方はどうにも釈然としないものでした。私は当然宇都宮さんが統一候補として決まるものと期待していましたのでそれが決まってから力一杯協力したいと思い、絹山さんからの事前の宇都宮さんビラの配布には消極的なお返事をしてしまったのでした。 いったい民進党は宇都宮さんのどこが気に入らなくて同意しなかったのでしょうか。共産党はどれくらい本気で押したのでしょうか。それほどでもなかったのでしょうか。ほかの政党はどうしていたのでしょうか、市民連合など市民団体との相談はどうだったのでしょうか。あれこれ名前が出ては消え結局一晩のうちに鳥越さんに傾いて決まってしまいましたが、宇都宮さんよりもどこがどんなに優れていて合意したのか、都民には分らずじまいでした。 逆に善意で考えても年齢と病歴は都知事という激務を考えるとマイナス要因であることは間違いありませんし、立候補表明のテレビ報道ではあまりの気楽な感じに「これで大丈夫 ? 」の感をぬぐえませんでした。その後公開討論を欠席していたこと、街頭への顔出しが少ないことなど、どうしても「盛り上がる」という気分にはなりませんでしたよね。そこにぶつけられた文春の記事、もちろん相手方の意図的な狙いに応じたものではあるのでしょうが「事実無根」で切り捨ててしまって納得してもらえるものかどうか、あとから見た宇都宮さんのご意見のようにもっと誠意ある対応が必要だったのではないか、それをしなかった (あるいは出来なかった) ことは決定的に有権者の心を引き離してしまったと思います。まあこのような候補者でもあの票数は取れたという意味では「大健闘」かもしれませんが本当に勝つつもりだったのなら「惨敗」ですよね。 8月20日朝日夕刊の「ぶっちゃけ聞いてみた」を読んで改めてがっかりしました。このような人を候補者に決めた政党関係者に本当にしっかり「総括」してもらいたいです。 私自身は世田谷にいたときの苦い経験から選挙についてはよほど自分で納得できた人でなくては自分の声や言葉で人にお勧めすることはしまいと心に決めていて、今回も各戸へのビラ配り (たった1回) など基礎情報の提供くらいしか活動しませんでしたが、本当にそれでよかった、人様に不誠実にならなくて済んだとほっとしています。それでも宇都宮さんの大決断によるせっかくの統一候補だからと一生懸命に活動されている皆様には後ろめたく、申し訳なく思っていました。一緒に闘うべき仲間のなかでこんなもやもやを感じなくて済むように候補者選びは真剣に慎重にやってもらいたいとつくづく感じています。 都知事選の感想 その2 和田哲子 増田様のご意見について、総括にいろいろな考えがあるのは当然ですが宇都宮さんに自己批判してもらいたい、というのには同感出来ません。他の方のメールでも宇都宮さんが足を引っ張ったというのがありましたがそれも同感出来ません。 週刊誌報道については鳥越氏はきちんとした説明をすべきだったと思います。あとどのようにフォローされようとも一度はきちんと説明するのが人間としての誠意の見せ所だと思います。それが真実と信じるに足るものであったら理解してくれる人もいたかもしれません。理解したいと願っていた人もいたと思います。私もそうでした。それさえもせずに「事実無根」で切り捨てたのは人としての誠意に欠けていると思います。しかも「顔も知らない、名前も知らない」というほどの事実無根ではなかったようではありませんか。 宇都宮さんはそのような誠意のなさに同感できなかったのだと思いますし、同感出来ない人の応援をお断りになるのは当然です。それが宇都宮さんの有権者の方々への誠意の表し方だったのだと思います。私はその宇都宮さんの判断が正しかったと思います。宇都宮さんに責めを負わせるのはまったくの筋違いだと思います。 「野党共闘」の力を発揮できなかった都知事選挙 ―敗因をきちんと総括すべきー 原田一行 「狛江勝手連」に参加して、鳥越氏の勝利を目指し活動した一市民としての感想です。 1.選挙結果をどう評価するか/「敗北」と見るべき 野党が分裂した前回選挙で宇都宮氏が獲得した票は約98万票だったが、今回、野党統一候補の鳥越氏が取った票は約135万だった。得票数は37万増えても、得票率はほとんど増えておらず、野党が統一したにも関わらず、野党の持つ実績票(直前の議員選挙で野党4党の合計は248万票)の約半分をやっと超えた水準にとどまった(1+1=2とはならず、ほゞ1どまり)。しかも保守の分裂という千載一遇のチャンスがあったにも関わらずである。 「これしか取れなかった」このような結果は「大健闘」と評価するより、「敗北/惨敗」と見た方が私の気持ちには合っている。 2.「敗北」の原因について/政策抜きの「野党共闘」 民進党と共産党を中心とする「野党共闘」は、さきの参議院選挙では、一定 の力(=共闘効果)を発揮し、32ある1人区のうち、28で野党統一候補の得票が、4野党の比例票合計を上回り、11の選挙区で勝利した。 しかし、都知事選挙では、「野党共闘」の力が選挙結果にほとんど反映されていない。 候補者の決定が遅すぎた、候補者の個人的力量など「敗北」の原因は種々考えれるが、主たる敗因は、「野党共闘」が政策抜きの形だけのものになってしまった/政策よりは、選挙に勝ちやすい知名度の高い人物選びを優先させたものになってしまったからではないかと思われる(参議院選挙では、戦争法廃止、立憲主義回復などを中心とする基本政策の合意が政党間で交わされ、市民団体の要求が基本政策に加味されたところもある)。今回の都知事選挙の場合は、政党間の基本政策も明確に合意されなかった。そのため対立候補との争点・対決点も終始鮮明にできなかった。 テレビ討論会などで聞いても、鳥越氏の政策は具体性に欠け、迫力に乏しかった。立候補直後の討論会で「都知事になって何をやりたいのか」との記者の質問に「検診率100%」と書いたフリップボードを掲げて個人的関心事を中心としたことしか語らないのには愕然とした。横田基地へのオスプレイや豊洲移転問題など東京都が抱える焦眉の課題でも政策的イニシアチブを取れなかった。他候補との直接的論戦ではポイントをかせげないと思ったか、一時は討論の場には出ないようにしたこともあった。 選挙後、鳥越氏自身が率直に語っているように(2016.8.20朝日夕刊記事「ぶっちゃけ聞いてみた」)、「ストップ・ザ・安倍」の思いだけで選挙に立ち、都政について体系的に政策や意見をまとめておくことはやっていなかったのである。これでは選挙に勝てる筈がない。こんな状況にありながら、彼を統一候補として押し出し、政策的弱点を補強できなかった政党の側の責任は大きい。 また、「野党共闘」が都民に開かれ、都民の要求を結集する場になっていなかったのも「野党共闘」が力を発揮できなかった要因になっていまいか。候補者を何故、宇都宮氏でなく、鳥越氏に決めたのか。政党間で都知事選の政策についてどのような合意、意見交換があったのか。鳥越氏を支援することになった「市民連合」との間ではどんな協議がなされたのか等々、都民は全く蚊帳の外であった。 3.今後の発展のためにはきちんとした総括を こんどの都知事選挙の結果を「大健闘」、「野党共闘が発展した」(共産党志位氏)などと言っているだけでは、自画自賛にしか聞こえない。都知事選で「野党共闘」を進めた政党は、今後のためにも敗因の原因をきちんと総括してもらいたい。また、総括に当たっては選挙を共に闘った人々からの意見も積極的に聞くようにお願いしたい。 以上 2016/08/25 都知事選挙の結果について 西尾真人 与党分裂の中で野党共闘したことから、当選、悪くても競り合いになることが目標であったと思います。応援する市民の多くはそれを期待したはずです。その立場から見れば、推薦野党の直前参院選挙得票の5割強しか取れず、しかも小池百合子氏の半分にも満たず、前回の宇都宮得票率と同程度では、ひかえ目に見ても「敗北」であったと評価せざるを得ないでしょう。 なぜ、このような得票しか得られなかったのか? 小池百合子氏の「反自民的」ポーズ・劇場型選挙・精力的な行動などが相当な影響をもたらしたと思われますが、鳥越俊太郎陣営にも問題は無かったのでしょうか。最初のテレビ記者会見での政策が「がん検診率100%のみ」に失望した方、遅れて立候補したにもかかわらず行動範囲が狭く、当初は街頭演説が数分、後半にやっと政策が訴えられるようになったというのが実情でした。ここに、政策や健康状態を危ぶむ声が広がる要因(あるいは相手陣営の攻撃として利用される)があったと思われます。酷かったのは週刊誌の二度にわたる「女性スキャンダル」です(いろいろな意見が出ていますが、13年前に断念したネタの謀略記事)。結果はやり得、序盤の世論調査で「小池氏を追」っているはずが、中盤以降の失速の大きな要因となったように思います。 謀略記事を除いても、やはり、統一すれば何でも良いという訳にはいかないのではないでしょうか。しかも、公示間際です!鳥越氏が統一候補としてふさわしくないなどとは思いませんが、結果を見れば、突然の直前立候補では余りに都民を無視した行為になっていないのか疑問が残ります。宇都宮健児氏を統一候補としてなぜ推せなかったのかも分かりませんし、鳥越氏を推す声があったならもっと早くから議論されれば、政策や闘い方、推す市民の声も反映されたものになったのではないかと思います。 直前でしたが、宇都宮氏の英断により野党統一で鳥越氏を擁立しました。その野党と市民の運動はどうだったのでしょうか?漏れ伝え聞くことでは民進党の選挙の様相が強く、野党と市民で闘う選挙という感じではなかったとのことです。私は狛江勝手連で運動しましたが、民進党の動きが私には感じられないほど、市民運動との「距離」があったように感じます。 政党と市民が一体となって、戦争法を廃止する、そうした日本と東京をつくるには野党共闘をする以外に、多数派になる道はありません。非常に危険な情勢になっています。その野党共闘を実のあるものにするためにも、選出過程において、密室ではなく、オープンな議論が必要なこと、実際の行動でも統一していくための率直な議論が必要なことをしめした都知事選挙だと感じます。 各政党と推薦した市民団体の真摯な総括を期待します。 狛江でも幅広い議論の必要性を感じます。 2016年7月都知事選を振り返って 一木英介 ◎参院選での「野党と市民の共闘」の評価について 「アベ暴走政治にストップをかける」べく闘われた参院選挙は、「改憲勢力三分の二以上」を許す結果となってしまいましたが、“15年アンポ”の闘い、全国の労働者・学生・市民など、いわば民衆の闘う力を背景・基盤として成立した“4野党+市民共闘”が32の一人区すべてで統一候補を実現し、11選挙区で勝利したことは、多くの皆さんが指摘するようにまさに“日本政治史上画期的” と言って間違いないでしょう。 その基盤は、2014年7月1日の集団的自衛権行使容認閣議決定という、まさに憲法破壊の政治クーデターと言うべき事態、「アベ政治」の本気度を見て取った民衆が、「今、闘わなくて、いつ闘うのか」を自己に問い、全国から起ち上がったことにあります。 2015年3月には、これまで反戦・護憲運動を進めてきた全国組織《戦争をさせない1000人委員会》、《解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会》、《戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター》が連絡先となり、「これまで独自に、また随時共同して行動してきた諸団体・ネットワークが一つにまとまって、総がかりで共同行動を進めていくことにしました。この共同行動は、これまで私たちの運動がなかなか超えられなかった相違点を乗り越え、戦争する国づくりをくいとめ憲法理念を実現するために大同団結するもので、画期的な試みです。」と、《戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会》が結成されました。 闘いの“場”の広がりに呼応して、《シールズ》や《ママの会》など、新たな民衆ネットワークが生み出され、また全国各地に「大同団結」の“場”がつくり出されていきました。狛江でも6月19日、《戦争なんてイヤだ!狛江市民実行委員会》が結成され、200人規模の市民デモを3回おこなうなど、“足元”からの反戦運動を継続させています。 8月30日には、国会前で「60年アンポ以来」と言う約12万人、全国47都道府県・300か所以上で民衆が闘いに起ち上がり、「戦争法案絶対廃案」、「市民は連合、野党は共闘」などと声をあげました。 この“15年アンポ”の闘い、民衆の闘う力を背景・基盤として、《安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合》が形成され、全国で“4野党+市民共闘”による参議院選が闘われたのです。 狛江、あるいは東京では“4野党+市民共闘”は目に見えませんでしたので、なかなか実感できませんが、共産党の人が民進党公認候補のビラを撒いていたのを見て感動した、などの話が伝わってきます。もちろん、逆のケースもあったのであり、“日本政治史上画期的”な選挙戦が全国各地でおこなわれたのです。 “足元”・地域の「成熟度」により“4野党+市民共闘”の中身は違っていたのですが、《市民連合》勢力が先導して無所属の“4野党+市民共闘”統一候補を擁立できた選挙区もありました。 《安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合》は投開票日翌日の7月11日に発表した文書で、要旨次のように述べています。 私たち市民連合が各地の市民運動と連携しつつ、32の1人区全てにおいて野党統一・市民連合推薦候補の擁立を実現し、そのうち11名が当選を果たしたことは、全国規模で市民の後押しする野党が共闘するという新しい取り組みが一定の成果を上げたものと考えます。 残念ながら、私たちは今回の選挙で改憲勢力の膨張を阻止することができませんでしたが、市民と立憲野党(民進党、共産党、社民党、生活の党)が共闘する新しい政治の模索はまだ始まったばかりです。日本政治史上初めて、市民が主権者として連帯して野党の統一を促し、市民が政治を変える試みが実現したことの意義は大きいと思います。私たちは、この試みの成功と限界から教訓を学び、安倍政権の下におけるだまし討ちのような改憲の動きに毅然と反対し、個人の尊厳を擁護する政治の実現をめざして、ひきつづき安保法制の廃止と立憲主義の回復を求めてまいります。 そのとおりで、全国各地で闘われた“日本政治史上画期的”な選挙戦の「この試みの成功と限界から教訓を学び」取ることを、もちろん政党は政党として、そして“市民”側できちんと進めなくてはなりません。 ◎都知事選で「野党と市民の共闘」は形成できたのか? 端的に「NO!」です。後述する統一候補者擁立の過程を見ても、“市民”抜きで“こと”が進められました。 告示後の7月16日に《安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合》が発表した文書には、要旨次のようにあります。 来る東京都知事選において参議院選挙と同様、野党4党の統一候補を擁立するにいたりました。衆参両院において改憲勢力が3分の2以上の議席を獲得している現在、立憲主義と平和主義と民主主義を回復し、個人の尊厳を擁護する政治を首都・東京において実現することは、日本の将来において決定的に重要です。 私たち市民連合は、野党統一候補の鳥越俊太郎氏を支持し、政策協議を経たのちにできるだけ早く推薦協定を結ぶ方針であることを表明します。 都政は多くの課題において政治的解決を求めています。都知事が連続して金銭問題で辞職する事態は常軌を逸しています。ムダ遣いを洗い出す財政の刷新で、子育てや貧困児童の就学支援や高齢者介護の社会保障を充実させ、将来につながるムダのないオリンピックの開催準備、そして何よりも憲法を暮らしに生かし安心し安全に過ごせる生活の実現と、都民が主権者として参加し協力し合える都政の実現を推進しましょう。 なお、前都知事の突然の辞職を受けて、参議院選挙のさなかから野党統一候補の擁立を模索する関係者の努力がなされましたが、そのプロセスは決して平坦とは言えませんでした。今後、市民と野党の信頼関係にもとづく共闘をいっそう深化させ、候補者一本化に際して充分な透明性や政策論議を担保するため、市民連合としては、原則として公開の政策討論会や候補者と野党間の公開協議などを実施することを野党に要請していきたいと考えます。 ここで言う「政策協議を経たのちにできるだけ早く推薦協定を結ぶ」ことはどうなったのでしょうか? 政策協議もしていないのに支持表明というのは「原理的」にはおかしな話ですが、6月狛江市長選挙でもこれに近い展開があったようで、「切迫状況」ではやむを得ないことだったのでしょう。 ジャーナリスト・横田一氏の報告(月刊誌『創』9月号)によると、確かに7月19日、鳥越氏と《市民連合》との「政策協議会」がおこなわれ、《市民連合》側はA4版3ページの政策集を手渡したということです。つまり、鳥越氏はそれまで、少なくとも正式に《市民連合》と会っていなかったということでしょう。 そして、《市民連合》が要請した「推薦協定」は交わされたのか?その内容は?今のところ情報は入っていませんが、《市民連合》はその後早速、鳥越候補の応援に入っていきます。 しかし、狛江でもそうであったように“4野党+市民共闘”の選挙戦はつくれませんでした。《狛江勝手連》の駅頭メガホン宣伝には、共産党・社民党から市議を初めとした皆さんが積極的に参加してくれましたが、“4野党+市民共闘”の姿を市民の目の前に見せ、アピールすることはできませんでした。 ◎“市民”抜き、「密室」での野党統一候補擁立の過程 参院選告示直前の6月21日に開催された野党4党の幹事長・書記局長会議で、都知事選に統一候補を擁立して闘うことが合意されたと報道され、わたしも含めて多くの皆さんが「よし!良かった」と思ったでしょう。わたしなどは、これで宇都宮さんを統一候補にする道が開けたなどと、今から思えば甘い期待を抱いたものです。 しかし、統一候補擁立に向けた手順・過程についての「合意」の内容は、マスコミのみならず各政党機関紙などでも(わたしの知る限り)伝えられませんでした。 その後の動きを見れば、要するに民進党まかせ、「参院選優先」を口実とした「有名どころ」の「後出しジャンケン」狙い、つまりは宇都宮さんの排除が、「合意」とは言わないにしても、暗黙の了解がされていたのではないかと、わたしなどは邪推(?)したくなります。もちろん、野党第1党が民進党であり、民進党の中には「共闘反対派」、「改憲派」、「原発推進派」などがおり、共産党を初め他の3党の担当者にはいろいろと「艱難辛苦」があったのでしょうが、結果を見れば、わたしの邪推も成立不能とは言えないと思っています。 もっとも問題なのは、統一候補擁立に向けた手順・過程の中に“市民”の存在はまったく想定されていなかったことです。“市民”とは、この時点の情勢では《安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合》のことになります。前掲した7月16日付け《市民連合》文書で明らかなように、「候補者一本化に際して充分な透明性や政策論議」はなかったのです。 7月1日に参院議員会館で開催された「都知事には統一候補を!緊急アピール集会」(同実行委員会主催)など、“市民”側による4野党への働きかけの“場”はありましたし、《市民連合》をかたって(?)特定人物への立候補要請に動く人達もいたようですが、わたしの言う“市民”抜きでの統一候補擁立過程という断定を覆すものではありません。 次は「密室」の問題です。 前述のジャーナリスト・横田一氏は、「野党共闘が一定の効果をあげた参院選と今回の都知事選では、雲泥の差が生じていた」、「野党統一候補擁立には、公開討論会などで各候補者政策論議をして、演説などを含めて総合的に判断するプロセスは不可欠ということだ。各候補者陣営が納得する決定抜きには、野党共闘は100%以上の力を発揮しない──これが都知事選の教訓なのだ。」と指摘をしています。 そのとおりだと思います。「総合的に判断するプロセス」を抜きに、支持する政党の決定だからと選挙戦に突入する人、投票する人は、党員など強固な支持者以外には少ないと思います。 この“市民”抜き、「密室」での統一候補擁立の過程が、選挙戦にも大きく影響し、本紙別掲の「狛江勝手連の報告」が指摘する、 狛江での得票率22.59%は、都全体を2.03ポイント上回っていますが、前回宇都宮の得票率23.46%にも達しませんでした。候補者の問題、政策の問題などがあるにしても、「4野党共闘」の効果は、少なくとも狛江では「ゼロ」だった、とは言いすぎでしょうか? ──という選挙結果につながったと思います。 ジャーナリスト・横田一氏が「民進党内部の候補者選定をめぐるゴタゴタ」と指摘する顛末を詳しく書く気はしませんが、4野党が参院選で獲得した248万票をあてにした、宇都宮さんを排除したうえでの、「有名どころ」優先の選定過程だったと思います。 国谷裕子氏、片山善博氏などに断られ、7月8日に石田純一氏が出馬表明、 3日後には「断念」という「前座」の後、参院選投開票の翌日、7月11日、 民進党・東京都連会長の松原仁氏が古賀茂明氏に出馬要請をおこないました。 都議に召集をかけ、古賀氏に「お願いします」と頭を下げる“儀式”がおこなわれたそうで、両氏の握手シーンが報道されました。古賀氏は「検討する」旨を回答したそう(8月18日放送の『自由なラジオ』に出演した古賀氏自身の話から、以下の関連事項も)です。 ところが、その深夜、民進党本部は鳥越氏に乗り換えたのです。古賀氏の話によると、深夜、岡田代表から帝国ホテル?に呼びだされた、岡田氏がなかなか用件を話さないので、こちらから「鳥越さんですか?」と聞くと、ホッとしたように話し始めた、とのことです。古賀氏は、鳥越氏応援を自ら申し出たそうです。 民進党の中で何があったのか? 「有名どころ」優先の選定基準(?)から言えば、鳥越氏の選択は「正解」かも知れません。告示直後の「世論調査」(詳細不明)では、@鳥越、A増田、B小池の結果だったと言われています。 しかし、脱原発を主張し、民主党政権による原発再稼働を厳しく批判していた古賀氏への、枝野幹事長ら党執行部の嫌悪感が背景にあったということになると、「民進党内部の候補者選定をめぐるゴタゴタ」そのものであり、挙党態勢での選挙戦など望むべくもなかったということになります。 ここでもう原稿締め切りの時間になってしましました。一番大事な、都民に訴えた政策の内容・中身とその伝え方の検証という宿題が残っています。誰かやりませんか。わたしも、可能であれば、引き続き本紙次号に寄稿させてもらう予定(つもり)です。
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